アニマルパニックの始祖といえる傑作のなかの傑作。
このジャンルの作品にありがちな蛇足ともいえる人間同士のいざこざや恋愛模様もあるが、要所で鳥の不穏な映像が挿入されるので、全くダレずに視聴できた。
そして、なによりも鳥の恐怖演出が素晴らしい。
遊具に留まる大量のカラス、人々を襲う無数のカモメの姿に背筋が凍った。
鳥たちが人間を襲撃する理由が明確に語られないのも恐怖に拍車をかけていて良かった。
怖いシーンは多々あるが、特に恐ろしかったのは家に立て籠もる主人公一行に鳥の群れが襲撃する場面。
暗闇のなかで聴こえる鳥の声、屋根を突っつく音、少しづつ破られていくバリケード…。
身近な生物である鳥にここまで恐怖させられるは思ってなかった。
殺人鬼やゾンビ、クリーチャーを遥かに上回る恐ろしさ。
登場する鳥はみんな本物の鳥だよな?
1960年代のCGもない時代にどうやってここまで凄い映像を撮影できたのか。
巨匠、ヒッチコック監督に心の底から拍手を送りたい。
傑作を視聴できて大満足だが、しばらくは鳥嫌いになりそうだ。