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鳥のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
4.0
ダフネ・デュ・モーリアの短編小説を、アルフレッド・ヒッチコック監督が映画化したサスペンス・スリラーの傑作。
原題:The Birds (1963)

新聞社の社長令嬢メラニー(ティッピー・ヘドレン)は、サンフランシスコのペットショップで、妹キャシー(ヴェロニカ・カートライト)の誕生日に鳥(愛の鳥ラブ・バード)をプレゼントしようとしていた弁護士ミッチ(ロッド・テイラー)と知り合う。
メラニーは鳥を持って、サンフランシスコの北、ボデガ湾沿いの港町にあるミッチの家を訪れるが、突然、舞い降りてきた1羽のカモメに額をつつかれる
これが発端で、町のあちこちで鳥(スズメ、カモメ、カラス)の大群が子どもたちや人間たちに襲いかかる…。
やがて、鳥は大挙してブレナー宅をも襲い、一家は恐怖のどん底に突き落とされる…。

「鳥は襲いません。美しい存在です。人間こそあらゆる生物の敵です」

「どうして、こんなことか起きるの?みんな、あんたが来てからだわ。…悪魔だわ」

「愛の鳥も一緒に?
悪いことをしてないわ」

突然、鳥が大群で人を襲う。なぜ大群で発生し、なぜ人を襲うのか一切説明がないが、それがよい。
野生の鳥、調教された鳥、剥製の鳥、3種類の鳥を使いこなしたという撮影が見事。
グレース・ケリーに去られたヒッチコックが次ぎに選んだヒロイン、少し気の強い役柄のティッピー・ヘドレンが、輝く金髪とシックな衣装で美しい。彼女が襲われるシーンは、ヒッチコックのサディスティックな性癖が明らかで、自分の想いを果たせなかったヒッチコックの復讐のようだと誰かが言っている。彼女は、その場面の撮影後1週間寝込んだという。
それでも、彼女の代表作となり、娘にメラニー(・グリフィス)という名前をつけている。
なお、ミッチの母親で子離れできないリディア役をジェシカ・タンディが、
その母のために別れざるを得なかったミッチの昔の恋人で、
妹の先生アニー役をスザンヌ・プレシェットが演じている。
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