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それでも生きる子供たちへのAMのレビュー・感想・評価

それでも生きる子供たちへ(2005年製作の映画)
4.0
これも友達のレビューから。

期待していたものと少し違い、表現がソフトに回りくどく描かれていたので、あたし達大人が見るよりも同世代の子ども達に見てほしいと思った(実際に小5の妹は「なんでこの子達こんな貧乏なの?(BILUE JOAOを見て)」、中2の弟は「もっと見たい!(Jonathanを見て)」と、興味津々といった様子だった)

あたしが特に気に入ったのは
・TANZA
‥舞台は南アフリカのルワンダ。
追放された部族の子ども達が、強制的に入れられるゲリラ部隊に所属する、ある少年兵の物語。
小さな体に不釣り合いの大きなマシンガン。
日々繰り返される大人との銃撃戦、そして当たり前になってしまった仲間の死。
子ども達はマシンガンや手榴弾をプレゼントだと思っている───
TANZAは小学校に爆弾を仕掛けに行くが、温かい教室の風景を見て、自分がそこにいることを想像しながら涙し、眠るように爆弾のタイマーを頬で止める様子が胸に突き刺さった。

・BILUE JOAO
‥舞台はブラジルのサン・パウロ。
ファベーラと呼ばれる貧困地帯で暮らし、ゴミを集めて生活する二人の兄弟の物語。
小さな体にとって廃品収集は決して容易なことではないし、それに縄張りなども関連し問題は多難な筈なのに、それでも逞しく前向きに生きる二人の兄弟の様子が明るく描かれている。

これらを見て思ったことは、映画を製作した側は決して同情や哀れみの念を期待してはいないこと。貧しい中で、子ども達は未来に夢や希望を抱き、前を向いて生きている。この映画に出ている子ども達は、監督がそれぞれ現地で発掘した俳優さんでもなんでもない普通の子が大半を占めるんだとか。この言うも言われないrealityは、そういったところから来るんだと思いました。これは小説じゃなく、この子達の日常なんです。UNICEFとWFP(国連世界食糧計画)が共同製作したこの映画、是非一度は見てもらいたい作品です
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