カネコ

菊次郎の夏のカネコのレビュー・感想・評価

菊次郎の夏(1999年製作の映画)
3.5
有名な久石譲の名曲summer 。

たけしによる平成の夏・母を訪ねて三千里。

おばあちゃんと浅草で2人暮らしの少年・正男君が近所の怖いおじさん・菊次郎と豊橋にいる会ったことのないお母さんに会いに行くストーリー。

前半の正男君は競輪で大穴当ててキャバクラに連れて行かれたり変態おじさんに公衆便所に連れ込まれて酷い目に遭いそうになったり、おじさんの背中の立派な入れ墨に衝撃を受けて悪夢にうなされたりしている。
正男君役の子役が子役っぽくなくて良い。

夏のアスファルトや砂浜の乾いたギラギラした感じ。
プールのキラキラ感と入れ墨。

ヒッチハイクはダラダラしてるしおじさんはめちゃくちゃするしでいつお母さんに会えるのか観ていて不安になる。

ヒッチハイクで出会ったジャグリングするカップルの彼女が細川ふみえでギャル可愛い。

カップルと4人で遊んでいるシーン。
カメラが引いていくと立ち入り禁止の看板。一見ギャグっぽいけどこの4人の出会いは偶然でこの時間は他の誰も立ち入れない夏の奇跡みたいな時間なのもしれないと思ったらめちゃくちゃ尊い。

だんだん怖いおじさんと打ち解けるうちに正男君の内面からおじさんの内面にフォーカスされていく。

お母さんの家に着いた時のシーンはもう完全に正男君の傷ついた気持ちをどうやって慰めるか考えているおじさんがメインになっていて菊次郎の夏ってこういう事かと思った。

このシーンがクライマックスかと思ったらまだ尺が30分位あってこの後どうするのかと思ったらおじさん達が子供と全力で遊ぶギャグパート。やはりらっきょさんが良い。
下らない事やってるのになんだか切なくてこれこそたけし映画の真骨頂だ。
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