菊次郎の夏の作品情報・感想・評価

「菊次郎の夏」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

4.5
ひっさびさに見てみた。3回目。前見たときより感動がぜんぜん増してすごく良かった。北野武といえばスタイリッシュなバイオレンス映画ってイメージが強いけど、本作はぜんぜん違います。どちらかというと、コメディアンとしてのビートたけしのイメージに近い。けどもうちょい深い。とはいえお話はとてもシンプル。お父さんが事故で死んで、お母さんはどこか遠くに住んでて、お婆ちゃんとふたりで暮らしてるマサオ君。学校が夏休みに入って、近所の友だちはみんな家族とどこかにお出かけ。何々くん、遊ぼ! 誰々くん、遊ぼ!と友達の家の前で声をあげても誰もいない。お婆ちゃんはいつも仕事で忙しいので、ひとり寂しく夏休みの宿題をするマサオ君。お家でたまたまお母さんの住所を見つけたので、思い切って一人で会いに行こうとするところを近所のおばちゃんに声かけられ、その人の旦那が口も態度も悪いチンピラオヤジやねんけど、マサオ君に付き添うことに。そこから二人の珍道中が始まる。まずこのマサオ君の見た目が愛嬌があってすごくいい。よく映画で見かける顔の美しい子役みたいなんでは全くない。ブチャイクでおっさんみたいな顔しててぽっちゃりで走り方変やねんけど、ものすごく愛らしい。基本浮かない感じで下向いて無表情でセリフ棒読み。けど、そんな彼がニコってすると、思わず心とろけちゃうねん。マサオ君が走ってるシーンに久石譲の有名すぎるテーマ曲がかかったら、もー涙を禁ずることはできません! で、付き添いのチンピラを演じるのがビートたけし。うるせんだよばかやろー!ばっか何度も言ってる、典型的なややこいオッサンなんやけど、ストーリーが進んでいくと、だんだんと、何で彼がそんな風になってしまったのかが分かっていくんだね。すごく悲しくなって思わずこちらにも涙。って書くとすごくセンチメンタルな映画に聞こえるな笑 基本はコミカルでオフビートなロードムビー。テレビのコントみたいなシーンがいくつかあったりして、実際笑えるシーンもそこそこ多い。けど、表面のぬるーい雰囲気の中、笑いの内容はどれもエッジが効いてるので、笑えない人や戸惑う人も多いんじゃないかな。このへんの絶妙さはやっぱ武って感じ。泣けるシーンも多いです。切なくて美しい映像に切なくて美しい音楽をのせといたらとりあえず観客は勝手に感動するだろ、とか考えてそうなくらい泣かせてくる。そして、その考えは正しいのであります。ところが、最もハートがうわーーーーーーーてなるあまりにもビターなクライマックスシーンの、その後が、異様に長い。前見たときはその後が長すぎて、うーん…てなったんやけど、今回はすごく意味が分かった。なるほどねー。おじさんも、デブのおじさんも、ハゲのおじさんも、優しいおじさんも、みんな社会のはみ出し者なんだ。きっと幼い頃、みんなマサオ君だったんだ、だからみんな分かるんだね、ほんでアレしたりコレしたり。今回はその長いシーンで北野武の人間的な優しさをすごく感じた。ほんで最後のおじさんのセリフで画面見えなくなった。 この映画のタイトルがなぜマサオの夏じゃなくて菊次郎の夏なのか。そういうことやったんや。しかも何と、菊次郎とはタケシのお父さんの名前だとか…そう考えると…さらに、あ、そういうことか、ってなってますます胸がしめつけられる。すごくステキな映画だった。最後に、チンピラの奥さんを演じた岸本加世子と、途中で出会う魅力的な細川ふみえ、このふたりが何かめっちゃくちゃ良かった! あと、2001年みたいなシーンあっておどろいた!
Lenely

Lenelyの感想・評価

4.0
Blu-rayにて再鑑賞。

北野武監督作品でありながらバイオレンスとは一転、おばあちゃんと2人暮らしのマサオくんが遠くに暮らす見たことがない母親に会いに行く為、親戚のおばさんの旦那である菊次郎おじちゃんと母親を探す旅に出るロードムービー。
甲斐性無しの菊次郎がマサオと旅を続ける中、徐々に母親がいないという過去の自分と照らし合わせ、心を開きお母さんの所へ連れて行くことを決意し、
この旅を重ねて菊次郎が優しさと旅の意味を知ることができるシーンがグッとくる。
不器用でありながらもマサオを笑顔にしてあげたいという菊次郎の優しさと旅で出会った人たちとの交流、悲しいこともあったが楽しいことがいっぱいのこの作品はロードムービーの中でも感無量最高傑作なのだ。
旅の終わりの余韻が視聴者にも実感できる。
ジーナ

ジーナの感想・評価

2.0
本編は寒いコントが連発されるし、クドい。

しかし、誰もが一度は耳にした事のある久石譲の名曲「Summer」を聴く為だけでも観る価値はある。
三國

三國の感想・評価

3.1
良くも悪くも、たけしらしい。いや、どっちかというと悪い意味が勝ってる。ソナチネ、況やその男凶暴につきを作った男は、矢ッ張り死んじゃったんだろう。或は限界だったんでしょう。1999年の世紀末に、たけしはどんな思で、何を考えながら、フィルムを見ていたんだろう。ーー勿論、センチメンタリズムですよ、是は、ソナチネとは違う。視線の突き刺さり方が、まるで違う、些細な点かも知れんけど、たけしを追うなら見逃されてはいけないんだと思う。自動車事故以前の強さが、凶暴が、影を潜めちゃった。けど、21世紀に完全にバイオレンスに傾斜するのに比べたら、ギリギリ保ってる。崩れてるけど、まだたけしだ。だから、以降の冗長を、老後の生き永らえる詰まらなさが、見通しとして出ている。その意味で区切れだろうなあ。
他に特に書くことはないです。たけしは、文句を言えば百倍にして言い返すだろうけど、何も言われないのが一番苦しい筈だ。勿論、所謂専門家のくだらねえ細々した批判=戯言には、たけしもうんざりしてたろう。そういうのは、わかる。みんなもわかる。だから、そうじゃないところで、みんなが矢ッ張り見たくなる、時々見返したくなるソナチネを作った男ーーあいつは変わっちまったと、それは、愛情として、示したい。たけしにだったら、一発くらい殴られたっていい。殴って一番虚しくなるのが当人だと、一番知悉してるのがたけしだ。だから、殴られて喜ぶマゾヒズムではなく、ましてや友情の証だ何だと喜ぶお人好しでもなく、ただ虚しさの現出作用としてーーそれが、多分たけしの映画だった。
それで、耐えてたから、凄かったんだ。ヒーローだった、アンチヒーローとしての紛れのないヒーロー(あいたたた、我ながら拙い例えです)だったと、思う。精神が張ってるうちは、いいとして、終を見ちまうと、どうしてもダメなのかなあ…。最後の、最期まで、張り倒したのは、三島由紀夫? いやいや、だとすれば観念くさい。もっと広範な、年寄りが感じる無念の雲かしら。
なべ

なべの感想・評価

3.8
序盤から中盤にかけては《ビート武》仕込みの御笑い節が炸裂し、コメディリリーフの腹を抱えて笑える内容になっており、終盤にかけては胸打たれ心温まり・尚且つ・北野映画ならではの刺激が詰まった人間ドラマを展開している。加えて《久石譲》の織り成す壮麗な音楽で雰囲気を演出しつつ、誰もが共感できるドラマチックな物語が描かれていた。

また、
オフィス北野の愉快な仲間達が愛嬌たっぷりの体当たり演技で場を盛り上げ、《北野武》含むクセの強い登場キャラのコント仕立ての掛け合いはずっと面白くて観ていて全く飽きなかった。

撮影は和やかな雰囲気で行われ、劇中《北野武》は演技では無く本当に笑ってたそう。さらに、子ども心を巧く利用した撮影秘話など面白いので、気になった方は是非調べてみて欲しい。

特典映像で、当時レギュラー番組9本を抱えていた《北野武》は隔週ごとに映画とテレビ番組を交互にやりくりしていたと語る。また、自分に言い聞かせるように、映画に対する自論を次のように語っていた。

◉映画に自分を投影している
◉映画は履歴書を書きなおしている気がする
◉映画の中の自分は本物
◉映画を変えることは自分を変えること

これを聞いて《北野武》にとって映画は一種の自己形成の役割を果たすと同時に、特別な存在であるのだと思った。また、映画に対する溢れる情熱は北野映画の作品や制作過程から滲み出ており、そういう姿勢は一人間としてリスペクトすべきであると思った。
サウンドトラック聴きながら京都の嵐山散策してる時すごい楽しかった。
kady

kadyの感想・評価

2.5
ほのぼの、たまにクスッと
いつもの武映画からしたら退屈と言われると思う。私は好きな方
mikim

mikimの感想・評価

4.3
ほっこりした。
ああ、幼い頃わたしも同じ感じだったな、と思える。
主人公のあどけない演技も魅力的だった。
良い映画だった

昭和チックな下町の人情、破滅的な人生を送る粗暴な男

誰にとって記憶に残る夏になったか、北野映画はどの役にも物語があって良い
ただただ最高だよ。ほっこりするんだよ。映像が写真みたいでクールだよ。日本が世界に誇れる作品だよ。
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