紺野

二百三高地の紺野のネタバレレビュー・内容・結末

二百三高地(1980年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

日露戦争は海戦の勝利が決定的だったことくらいしか知らない状態で、友人に勧められ拝見。
日露戦争における旅順攻略のお話。

個人的にはとても良い作品だと感じた。ざっくりとした評価は以下
◎キャストの迫真の演技 本当にこれが素晴らしい
○1980年製作でこれだけ大掛かりなセットでの演出+カメラワークの良さ
○感情の変化の表現の良さ ×ただ古賀先生の感情の変遷は違和感あり微妙だった

評価ポイントの1つである戦闘シーンでは、大掛かりなセットを用いて多くの人員を割いて撮影が行われており、カメラワークで突撃の躍動感を見せつつも、大量の日本人が撃たれ積みあがっていく様は、要塞の堅牢さ、攻略の難しさを十二分に伝えることができており良かった。

また、演技及び感情表現がとても秀逸で、突撃のみを繰り返してきていた古い考えの日本人が、困惑しながらも穴を掘って爆発させにいくシーンでの困惑具合がとても伝わってきた。当時の日本人の考え方に少し疑問を抱いているであろう古賀が、従軍していく中で日本人の考え方に染まっていく過程も、当時の考え方を把握する上でとても分かりやすいと言える。一方で露助嫌いになりきるには材料が不足しすぎていたか(オリキャラっぽかったので仕方ないともいえる)
最も良かったのは乃木大将の表現で、苦悩を感じながらも表面には出さないようにしつつ、それでいて節々に苦悩を感じさせるような奥行きのある演技をされていた。その流れから御前でのあの演技はとてもグッと来るものがあり、乃木希典という人を強く表現してくれていた。

本筋として203高地戦を語る上でその過酷さや当時の雰囲気を表現しつつ、乃木大将の人柄の表現を重視した構成になっていると感じ、それをそのまま受け取ることができるような内容だった。
古賀さんだけ気になるが、それ以外は非常におススメできる内容と言える。
紺野

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