溝口らしさが十分に表現された重厚な作品。悲しくて悲しくてしょうがない。
長回しのカットやお春を追いかけるようなカメラワーク。田中絹代の艶めかしい表情や動きにうっとり。
三船演じる勝之助は序盤しか出てこないのに、お春によってこちら側も常に頭の片隅にいるように感じられる。幸せになれると信じているのに、いつまで経っても幸せになれない様が妙にリアルで、現実を突きつけられる。
お金や安定した生活が全てではない。だからこそ、息子を見れた後ひっそりと暮らすことを選んだのだろう。
溝口独特な世界観、雰囲気が大好きすぎるんです!