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西鶴一代女の靉靆のレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
4.5
溝口らしさが十分に表現された重厚な作品。悲しくて悲しくてしょうがない。

長回しのカットやお春を追いかけるようなカメラワーク。田中絹代の艶めかしい表情や動きにうっとり。
三船演じる勝之助は序盤しか出てこないのに、お春によってこちら側も常に頭の片隅にいるように感じられる。幸せになれると信じているのに、いつまで経っても幸せになれない様が妙にリアルで、現実を突きつけられる。

お金や安定した生活が全てではない。だからこそ、息子を見れた後ひっそりと暮らすことを選んだのだろう。

溝口独特な世界観、雰囲気が大好きすぎるんです!
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