西鶴一代女の作品情報・感想・評価

「西鶴一代女」に投稿された感想・評価

QUENTIN

QUENTINの感想・評価

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これまた塩田明彦氏の「映画術」に参考映画として出てきたので。

日本人でありながら、まだ溝口健二作品は1つも見ていなかったが、これから漁っていきたいと思える面白さ。

でも面白さというよりか、話の流れがえぐい。
今よりも女性がひどく扱われていた時代を生きた1人の貴族女性の転落人生を描くのだが、ひたすらに転落させられる。
たま〜に救いがあると思いきや、その幸せはすぐに打ち砕かれ、どん底に逆戻り。
これが幾度と繰り返される。

こんな生活をしてりゃあ神様仏様なんぞ信じられないはずなのに、最後は托鉢僧として過ごしている姿が映され、その健気さにやるせなさを感じる。

見てるのがしんどいが、動線・空間の捉え方がとても上手く、演出の良いお手本になります。
映画を作る人は見たほうがいい作品。
sk

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4.5
大名の側室から娼婦、物乞へと転落するお春の一生。父権制社会における女性の搾取を容赦なく描く。貧・富どちらの世界観も妥協なく演出する。田中絹代の名演。ゴダールが溝口ファンということで、「女と男のいる舗道」にも影響を与えていそう。
tonemuff

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3.9
まだ女性が搾取されていた江戸時代の日本人女性のキリストばりの受難が淡々と描かれている。

少女ムシェット〜ダンサーインザダーク的な作品で、ヨーロッパで評価が高いのも頷ける。
ち

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4.3
カメラは人を追っている。しかし、人がカメラを動かしているのかカメラが人を動かしているのかといった力関係の問題は自然な演技と巧みな演出によって限りなく曖昧にされている。不自然さが排除されつつも、カメラは常に人物をフォローし、構図を型取り続けている。こういった流麗すぎるカメラワークの不自然さが映画の自然さ(そう見せられることに対する観客の納得)を作り出している気もする。

擦り減り続けた魂はどんな形になるのか。無か、もしくは...
malu

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4.8
底辺に生きる、あるいは転落していく女性を描き続けた溝口健二。フェミニズム、、もはやフェチズムなのだろうか?
男に翻弄され…もう見てられない…ぐらいどんどん堕ちていく。どんなにボロボロになっても生きていく女性の強さ。その姿はもはや崇高だ!田中絹代の名演技! 名作。
映

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4.0
波乱万丈な女の人生、と言ってしまえばそれまでだが、そんなありきたりで陳腐な話ではなく、もっと諸行無常という言葉を思い浮かべてしまうような話。
男(そして社会)が、女をどれほど貶めるのか、そういう描き方のされている作品。
越えてはいけない一線を襖で区切って、あとは動線で表現する演出すごかった。
この襖で一線を表すのは平安時代の絵巻における表現と似ていると思った。
絵巻では畳などの線から登場人物たちの心情を表現したりしている。線が平行だと安定した関係、交差する線だとすれ違う想いなどを表現してるらしい。溝口健二は子供の頃絵を描くのが好きだったと何かで読んで、多分絵巻や日本画からの影響も受けているはず。溝口健二は、長回しや奥行きに重きを置いていると思ったから、この映画はある意味意外だった。
そういう二次元における効果を、溝口健二なりに噛み砕いて三次元に変換できている点でもうすごい。
全てにありがとうございました。

このレビューはネタバレを含みます

 物語は御所にまで仕えた主人公が洛外追放になり、島原へ行ったり追い出されたり、見受けされたかと思えばまた追い出されて夜鷹になってしまい最後は尼となるまでの女性の一代記。
 
 ひたすら運命に翻弄されて流れていく話ですが、何と言ってもワンシーンワンカットの映像美が凄いです。登場人物の配置だけでなく、カメラの構図や小道具の位置、画面の奥にいるエキストラに至るまでどの画も絵画のようになっているのが凄いです。登場人物が画面に出入りするのも計算されているかのように一定のリズムで行われるので気持ちが途絶えることがなかったです。
 日本の封建主義や男尊女卑が描かれて1人の人間がこれでもかという不幸の連続でどん底まで落ちていくのが描かれていきます。自由な恋愛はやっちゃいけない時代。女性が男性を求めたら追放されるという。けど男性の性欲処理の道具として夜鷹がいたりして。

 なんて生きにくい世の中なんだとまざまざと見せつけてくれる映画でした。それでいてそんな世の中でも生きていかないといけない現実と希望。
lag

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3.8
The Life of Oharu. She loses everything.

女は子供産む機械じゃない、なんて大声で歯向かえない時代。
ある女性が、性的に搾取され、心身ともに虐待され、遊女物乞いにまで零落する。やっと手に入れた幸せも、泡沫のように消え去る。賢くて心優しい善人だが、女性というだけで軽んじられ、何の落ち度もないのに世の中に弄ばれた可哀想な女の一生。可哀想すぎる。救いがない。
溝口健二監督の熱意が伝わるし、田中絹代は名演だし、美術衣装も豪華で見応えあり。
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