Risa

ホフマン物語のRisaのレビュー・感想・評価

ホフマン物語(1951年製作の映画)
3.8
オッフェンバックのオペラが有名だと思うが(原語:フランス語)
それが大きいに参考にされていて
美術に力が入っているのがよく伝わってきた。

オッフェンバックの楽曲を英語訳して
ほとんどそのまま当てているが
なぜかオペラに比べてテンポ感が悪く感じる…なぜだ。
だが少しはビジュアルでカバーされていると思う。

序盤のバレエは振付などは素敵なのだが
1951だからかまだダンサーたちの身体能力が振りの良さを極限まで出せていないような…
現代のバレリーナたちが踊るともう少し映えるのでは。

酒場の場面の美術セットの階段の案は
最近のオペラでも見た構図だ。
テノールのグリゴーロがホフマンをしていた時に見たと思う。
ロイヤルオペラだったか?

機械人形のオリンピアは
こちらではダンスメインになってしまっているがこのオペラでは
オリンピアのアリア(コロラトゥーラ呼ばれる声の軽い技巧を使った部類のソロ曲)が
かなり有名で楽しい場面でもある。
コンサートなどでも演技を交えながら
バレエ:コッペリアみたいな感じで
人形みたいな動きをつけて指揮者と一緒に
コンタクトして盛り上がる曲である。
YouTubeにも載っているのでそちらの方をオススメする。

有名なホフマンの舟歌があるが
なぜこの構図にした!
これはニクラウスとジュリエッタが歌う二重唱なのに!
この2人が歌っていることに伏線というか
ニクラウスのストーリーテラー的な重要性が出ていると思うのだが…

ジュリエッタの場面の豪華絢爛さは
本当によく出来ていると思う。

あと三幕と四幕は
順番が版によって違う場合があるが
この順番が私は好き。

この作品を観た人は是非原語:フランス語でオッフェンバックのオペラを見て欲しい。
いかに原語がオペラにとって大切かがわかるだろう。
美術的にはこちらの方が入りやすいから
オペラへの入門にでも観てもらうのも良いと思う。

日本ではオペラとバレエは別物で考えられやすいが、欧米、特にフランスでは
グランオペラと言ってバレエが入ったオペラが流行したのもあり
オペラとバレエは密接な関係であるので
バレエだけが好きな人にはこの作品はしんどいのかも知れないが
教養として観ておくのをお勧めする。
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