ハレルヤ

英雄の条件のハレルヤのレビュー・感想・評価

英雄の条件(2000年製作の映画)
3.6
イエメンでアメリカ大使館を暴徒に囲まれて襲撃され、大使の救出作戦に赴いた海軍特殊部隊。極限状況下に追い込まれ、部隊を率いるチルダーズ大佐は群衆に向けての発砲を命令。一般人にも多くの死傷者が出た事で国際問題に発展。かつてベトナム戦争でチルダーズに命を救われたホッジス大佐は彼の弁護を引き受ける法廷サスペンス。

公開当時から存在を知っていた作品。でも当時はまだ小学生。難しそうな話と思っていて敬遠していましたが、今となってはサミュエル・L・ジャクソンとトミー・リー・ジョーンズが主演。監督は残念ながら昨年亡くなった「エクソシスト」のウィリアム・フリードキン。しかも法廷もの。興味津々で鑑賞しました。

一般人が入り乱れる中から銃撃を受けて、仲間を守るため反撃を正当化出来るか。本当に難しい判断。その是非を問う内容で、なかなか見応えのある法廷劇に仕上がっていました。

まず冒頭の大使館襲撃から現場の壮絶な状況。暴徒が大使館を取り囲み、投石や火炎瓶などが投げ込まれる。その中からゲリラが発砲してきて隊員にも犠牲者が出る。本来なら反撃出来ないが、このままでは犠牲が増えるだけ。発砲を命じたチルダーズの苦境が伝わってきます。

しかしそれは当然越権行為で多くの人が死亡した事によりチルダーズは裁判にかけられる。国が責任を負うのは避けたい。彼を有罪にしたいと考える人間が、証拠隠蔽や偽証を図るなど汚い手を使ってまで彼を陥れようとする。

そんな旧友の危機に手を貸したのがホッジス。完全に不利な局面だが諦めずに命の恩人のチルダーズを救おうと奔走。慣れない弁護人としての役割を全うする姿は本作の法廷劇を熱くさせるもの。

対抗する検事役にはガイ・ピアース。チルダーズに助けられる大使役にはベン・キングズレー。脇も豪華キャスト。

重いテーマで答えも簡単には出せないものですし、疑問符がつくところもそれなりにあったのも事実。でも2時間食い入るように見れる内容で法廷ものが好きな方ならばお勧め出来る作品です。
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