このレビューはネタバレを含みます
主人公がしずかに傲慢になっていくさまが見事。吉原のステンドグラス、真っ赤な布団、かき氷、金魚鉢、花魁道中の水色の着物。わ、若ァ……あんな女に全財産をやってしまったばっかりに……最後までイカすぜ……というきもちになる。しんどさの限界突破が永遠に続くので振り返ってみれば九重さんがいっちゃん幸せやん と笑けてしまう。名取裕子、芋いのに目を瞠るほどうつくしくて儚い。かたせ梨乃のありがたさよ。「昔のことを掘り返して、あれは嘘、あれはホントって言ったところで何になるんだ？」
