似太郎

わが心のボルチモアの似太郎のレビュー・感想・評価

わが心のボルチモア(1990年製作の映画)
4.6
【淡々と容赦なく】

このような地方都市を舞台にした人情映画はやはりバリー・レヴィンソンに尽きる。

心暖かい家族の一代記であり、生まれ育ったボルチモアという街への作り手のラブ・レターがある。どこか大林宣彦の【尾道三部作】を彷彿とさせる出来栄え。

子役時代のイライジャ・ウッドが可愛い。アメリカの良心的な部分に言及するアプローチはやはり『ダイナー』や『レインマン』と大差がない。明るくもなければ、暗くもない。ストーリーに起伏すらない。

監督したレヴィンソンはアメリカのローカルな「下町」とか貧乏臭い雰囲気の場所が似合ってるのだろう。いわゆるコッポラのような都会的貴族趣味が感じられない。そこがなぜだか好感の湧く、渋い群像劇だった。これは隠れた名編だよ!
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