のうこ

FAKEののうこのネタバレレビュー・内容・結末

FAKE(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やはり人の生活と深く関わっている猫は映画、映像には欠かせない。猫は観察している。

めちゃくちゃ映画的。電車、猫、暗い室内に、強烈な照明、飯。(飯食ってる時が一番人間ぽさが出る。)奥さんを介しての会話。ラストの森達也の質問に無言のなか列車の音が鳴り響く。

森達也が、佐村河内をネタにしてジャーナリズム賞とかなんとかを受賞した神山うんたら氏に、賞状を送るシチュエーションが皮肉的。まあ叶わなかったが。とくに「ペテン師佐村河内〜」と森達也が賞状を読む瞬間。さらには新垣に、彼が出した本のサインをもらいに行くという、皮肉っぷりが最高。


毎回、気持ちを断ち切るのは訪問のシーン。佐村河内にカメラが寄り添うようで実は森達也は単なる訪問者でしかない。訪問シーンは時間的な経過や、佐村河内の新鮮さが感じられるが、そういったイメージがやはり強い。

テレビメディアの訪問者や猫までも演出している。

佐村河内は嘘もついてるが本当のことも言ってる。それが白か黒かなんてはっきりしない。聴覚障害者の方にも森達也は聞いていた。どこまで聞こえるか、聞こえないかはわからないと。

最後は、神山うんたら氏が言ってたように、ごうちに曲を弾かせるように導く森達也。
のうこ

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