カトマン

FAKEのカトマンのレビュー・感想・評価

FAKE(2016年製作の映画)
4.0
やっと観れた。ありがとうNetflix。森達也さんの本で「職業欄はエスパー」があるけどそれに近い感じがした。
グレーな人のオフホワイトな日常。
ドキュメンタリーと言っても主観であり、カメラを向けられた人は基本的に演技をすると森達也は書いていたけど、佐村河内さんは森達也の格好の素材だったんだろうなと思う。一連の騒動があっての流れで観るので好奇の目で見てしまうけど、映ってるのは、ある夫婦の日常風景だったりする。そこにゴーストライター騒ぎという非日常が入り込んできて、色んな風景が歪んで見えてくる。佐村河内さんが過剰な演技をする節が見えてくる。そんな宙ぶらりん気分で終盤まで来ると、外国人記者の取材でコテンパンにされる佐村河内さんが映し出されて、見ている方はやっぱりこの人…てなるんだけど、最終的に作曲する工程が映し出されて、曲が完成する。この曲があんまりにも無駄に大げさだし、チープで吹き出してしまったんだけど、曲の完成度は関係なく、この映画の中ではある程度、佐村河内さんのアリバイが実証されるようになっている。嘘、本当、とかではなく一定の事実が映し出されている。嘘とされる様なトコに論点はなく一定の事実を提示する事で、世間的な論点へのスタンスを示している。これって、何でも二極化する今の日本の風潮へのスタンスにも思える。
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