ちょげみ

バトルシップのちょげみのレビュー・感想・評価

バトルシップ(2012年製作の映画)
3.2
[20x x年、地球同様生命が生息する環境が整っている惑星を発見した某国は狂喜乱舞しその星向けにメッセージを送信する。
だがその不用意な行動が災いし宇宙人達がハワイ沖に襲来?!?
唯一宇宙人に対抗できるのは演習中の戦艦3隻。地球の命運は彼らに託された!!]


かようなストーリーなわけですが、まずもって驚いたのが圧倒的な映像表現から醸し出される戦闘シーン。
軍艦と宇宙船との交戦なんかは息も呑むほど。
ミリタリーオタクではないから軍艦の魅力はいまいち分からないけれどそれでも画面に釘付けになってしまうほど洗練された撃ち合いでした。

しかしそれを除けば残念ながら特段興味を惹く類の映画ではありませんでした。
主人公の彼の入隊経緯やら性格、登場人物達の関係性、執拗にクローズアップされた引退軍人達?など、映画の序盤から中盤に早くも今後の展開が読めてしまい、あとは予定調和の筋書きをなぞっていました。
戦闘シーン以外は無感動でただぼーっと画面を眺めていることが多かったかな。




で、そんな最中に考えていたのがポップコーンムービーとして定着することの難しさ。

ポップコーンムービーというのはその名の通り、ポップコーンを片手に思考停止で楽しめる映画、エンターテイメント映画の中の一部の映画に冠せられる称号みたいなものですけれど、字面から想像できるよりはずっとポップコーンムービーとして認められるのは難しい、と思います。


何も深く考えなくてもいい、というのは裏返して考えると"どこか既視感のあるストーリーや設定、キャラでありながらそれでも観客の興味を持続させ、なおかつ鑑賞後に満足感を残す"ことが求められているとも言えます。

これが結構難易度が高いというか。
例えばハリウッド映画が使っている物語の黄金法則みたいなあれもありますけれど、黄金法則なるものを踏襲していたとしても映画は複合的な要素の組み合わせのため、ちょっとのボタンのかけ違いが起きてしまうと評価するに能わない酷い映画だなぁという烙印を押されかねません。

そもそも安易にポップコーンムービーを生み出してポンポンと世に放つことができていればこんなに映画業界が苦しむことはないわけで。

映画監督として数十年のキャリアを積みかねてきたプロでもなかなかポップコーンムービーを生み出すのは難しいのが実情なわけです。
そんなわけでとりあえずの結論を出すとするなら"単純なものほど作るのは難しい"てところでしょうか。


本作バトルシップは個人的にはポップコーンムービーの称号を与えるのはちょっとなぁ..てな感じの塩梅の映画でした。
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