無彩

バルカン超特急の無彩のレビュー・感想・評価

バルカン超特急(1938年製作の映画)
2.5
つまらない映画ではない。しかし、『サイコ』を観た後だと、驚きや面白みはあまり感じられなかった。個人的は、ミニチュアや映像の合成といった初期の特撮は嫌いではないが、それでも今私たちが観る映画の流れと一続きになっているとは感じられず、ひとつ前の時代の映画という印象。同じ時代のチャップリンの映画なんかは、あまり新しい技術を取り入れず、人間の心に訴えるストーリーや演出そして、チャップリンの持つユーモアで時代を超越し、普遍性を獲得しているように感じる。この映画は、ストーリーのサスペンス(緊張感)の演出が重要なだけに、今の時代に鑑賞するには少し物足りない。この時代に観たら多分面白かったのだろうと推察できる。

また、『サイコ』に比べると、イギリス的なムードなのか皮肉やジョークが多く、おしゃべりな映画だったこともあまり好みではない。

あとは、ホテルでのシーンが30分ほどあり冗長で、ホテルと列車でのムードが違いすぎて、それも気になった。

しかしながら、つまらない映画ではなかったと思う。
無彩

無彩