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宵待草のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

宵待草(1974年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

これはヒップホップ映画である。作中あふれかえる鼻歌大正歌の洪水。それらは。くらい世相へのハミダシ者たちの怨み節。まさに現代のギャングスタラップと同質のものといえよう。関東大震災。流行歌である宵待草の流行はスペイン風邪の流行と同時期。そう3.11そしてまさに今のコロナとかさなる。時をこえた同時代感覚にみちたこのズタボロやってらんない感。ここにみてとってしばし劇中の無声映画にいやされようではないか。鼻歌でもうたってのりきろうではないか。傷だらけの天使っぽいテンポ。内容は悪魔のようなあいつプラス修羅雪姫ってところか。三人はまるでヒップホップチームのようだ。男ふたりがラッパーである。女ひとりはdjである。でもレコードはまわさない。自分がでんぐり返しでまわる。男ふたりのうちひとりは活弁もする。活弁。一種のラップといってよいだろう。まさにこの大正時代の三人はヒップホップ感覚を共有している。
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