宵待草の作品情報・感想・評価

「宵待草」に投稿された感想・評価

WINSRIVER

WINSRIVERの感想・評価

5.0
傑作オブ傑作。チャンバラ→気球での逃避→チャンバラの一連の活劇が見事すぎる。憲兵姿での銀行強盗もいい。世の中を小馬鹿にした感じも見ていて清々しい。細野晴臣の音楽が神代映画にこれほどマッチするとは。
反体制組織に属している青年(高岡健二&夏八木勲)が、誘拐されてきた令嬢(高橋洋子)の保護を契機にして、右翼と左翼の両方から狙われる立場になってしまう。所謂「アメリカン・ニューシネマ」を日本の大正デモクラシーの時代に置き換えている作品。ロマンポルノ全盛期の神代監督が製作した一般映画であり、音楽を細野晴臣(当時ティン・パン・アレー)が、脚本を長谷川和彦が担当している。

男女の情念の描写は若干ながら後退しているが、唯一無二の神代スタイルは健在。娯楽と退廃の化学合成をしっかりと実現させており、大正時代のハイカラな雰囲気に陶酔することができる。とりわけ「映画は所詮作り物」とする映画撮影隊のシークエンスは、後年の「黒薔薇昇天」と通じるところあり。しかしながら、登場人物が唄をうたい続けるのが随分とクドイので、鼻白んでしまう側面もある。

「革命家の理念とは何ぞや?」ということに懊悩している主人公像は、出涸らしのキャラ設定とはいえ、やはり胸に突き刺さるものがある。気球、車、サイドカーなどを駆使していく展開が単純に楽しく、姫田真佐久によるワンカットの長回しも十分に堪能することが可能(蒸気機関車の到着シーンがスゴイ!)。

初見のときは、主人公が突発性の頭痛により七転八倒するのが、ラストのでんぐり返し行為への伏線だと思い込んでいたのだが、後々に調べてみると、悪天候のため機関車が運休になり、即興演技で「線路上のでんぐり返し」に変更されただけなのだという。心惜しさがあるけれど、真っ白な吹雪が退廃芸術のような映像美を作ってくれているので結果オーライ。総合的には傑作とすることができるが、あえて欲を言わせてもらうと、刀で斬られるシーンは血のりを使用して欲しかった。
つまらない時のゴダール映画を観てるのと同種の苦痛を感じた。
でんぐり返りのシーンとか、ああいうわざとらしさが無理。
も

もの感想・評価

4.5
男女3人の逃避行ものだが、徹底してサスペンス性を排除している(冒頭は長回しで、拳銃を奪いに交番に入る→銃声→男が警官に追われるまで喜劇のようにありえない程早く進行、銀行泥棒のシーンでも緊張感が走る少し前に細野晴臣の少し茶化したような音楽が入ったりする 等)

神代特有とも言える乗り物を捉えたショットもすごいキレをみせる。映画撮影中「いいのかこれで」「いいのよ!」(このやり取りも最高)と話しながら気球に乗る。しばらくすると、気球に穴が空き徐々に降下していく。その様子を列車に乗った別の集団が発見(列車の窓からその様子が見える)→落下点で待ち構える→数人のバストショットの後景に画面全体に気球がゆっくり倒れこむところは息を呑むほど最高。
Rikako

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4.0
俺たちに明日はないのパロディかと思った。でもこっちの方が好き。挿入歌の冬の出逢いが細野晴臣すぎて良かった。
nagashing

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3.0
神代辰巳×長谷川和彦×細野晴臣という豪華すぎる布陣で製作された一作。アメリカンニューシネマへの憧憬が大正のアナーキズムを経由してホモソーシャルな連帯へと結実する。なにを言ってるかわからねーと思うが、おれもなにを見てたのかわからなかった。かなりつかみどころのない映画。
右翼の大物の孫娘を誘拐した左翼団体に属するふたりの青年が、組織を裏切り娘を奪って逃亡する……というプロットがいちおう用意されてはいるが、三つ巴の抗争はぐだぐだ、三人の逃避行はだらだら、細野晴臣によるメインテーマはゆるゆる、といった具合に、全体的にまったりとした雰囲気のなかで進行する。青春映画らしい痛みも、吹き出る鮮血というよりかはじっとりとした疼きといった感じだ。
主題は男女の三角関係にはないと思う。なぜ主人公の性的不能が回復したのか、その直前にはいったいなにが行われていたのかを考えれば、三人の関係において、むしろ女が疎外されていることはあきらかだろう。実際、彼女はひとり置き去りにされ、男ふたりはそれぞれからみ合うようなとっくみ合いを演じた果てに命を落とす。彼らが殉じるのは男の世界の美学や友情であり、女はそのロマンティシズムを共有するための触媒というか添えものにすぎない。「どうでもいいじゃない」とくりかえし口にする彼女からしてみれば、そりゃあもうでんぐりがえりするくらいしかないでしょうよ、という気がする。
強盗に押し入った銀行で、居合わせた客に盗みたてほやほやの現金を渡して逃亡の幇助をさせるシーンはおかしかった。あとはやっぱり気球のショットだ。突然、画面いっぱいに不時着した気球の球皮がおおいかぶさってくる。空気が抜けきってしぼむまでの時間差による、あの鮮烈な不意打ちはまったく見事だった。
一

一の感想・評価

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まさかのニューシネマ。歌を口ずさみながら戯れに逃走する女ひとり男ふたり。やっぱり海は行き止まり。
isis2315

isis2315の感想・評価

3.0
俺たちに明日はないみたいだった。ただ、あんまり面白くなかった。気球から映画の撮影シーンはメチャクチャな感じで良かったけど。
アナキストたちの群像劇でありながら、政治臭は極めて薄く、最後はでんぐりごろごろでまとめるというある意味ストロングな神代演出がお茶目。

姫田さんの本には、脚本がめちゃめちゃ面白かったって書いてあったけど、仕上がりとどの位違うのか読み比べてみたい。
hikkimaryu

hikkimaryuの感想・評価

5.0
遊んでて、自由で、大変面白かった。
登場人物みんな生き生きしてるように感じた。
細野晴臣の音楽も印象的。軽やかで素晴らしい。
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