なすび

夏の嵐のなすびのレビュー・感想・評価

夏の嵐(1954年製作の映画)
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この映画見るのにめちゃくちゃ時間かかった…笑 U-NEXTに登場してから最初だけちょびっと見てあきらめて、そのあと一年くらい置いてて、また半分くらい見て半年くらい置いて、やっと今日全部見た…。だいたいヴィスコンティの映画好きなのにこれはちょっと重暗なのとアリダヴァリの顔のうるささとドレスの豪華さでお腹いっぱいなのとファーリー・グレンジャーの絵に描いたようなダメ男ぶりがしんどくて…ちょびちょび見るのが精一杯でした…!

ヴィスコンティといえば貴族の豪華な衣装とか部屋の内装とか美術とか、あとは有名な美しい顔の俳優たちの顔を美しく撮ってることがやっぱりすごくて見所かなって思うんだけど、今回はむしろ外での戦争の様子とか、荷馬車や農民たちの様子を撮ったもの、名もなき人々の動きを俯瞰で撮った映像の方が絵画みたいで心に残った。イタリアの田舎(?)の風景がとてもいいです。

不倫の話というか、ある男と女の人間関係の話でおもしろい。恋愛だと思っていたものがお金の話になって、地位や名誉を傷つけ合うことになって、また生死を決めてしまうに至る。『夏の嵐』という邦題より、原題の『Senso』(官能)ってタイトルがいいと思う。官能ってなんのこっちゃね?恋愛とか、不倫とか、戦争とか、そういうことじゃなくて官能ってなんでしょうね🤔って見終わった後人と話し合いたくなる

もともとはイングリッドバーグマンとマーロンブランド主演をヴィスコンティは望んでいたらしい。うわぁ、めちゃくちゃ不倫ぽいし官能という言葉が似合う2人…笑 見てみたかった

ユルスナールの『アレクシス あるいは空しい戦いについて』思い出した(この本読んでるときもヴィスコンティの映画を思い出した)。ひさしぶりにユルスナール読みたい、須賀敦子も読まねば。
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