夏の嵐の作品情報・感想・評価

「夏の嵐」に投稿された感想・評価

蓮實重彦の歴代映画ベスト141にランクインしてたなあ
蓮實は後期のヴィスコンティはダメだとのこと
echo

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3.8
伯爵夫人の壮大な不倫メロドラマ。もちろん相手はダメな程いい感じで。
1982年11月30日、渋谷パルコ西武劇場で鑑賞。

アリダ・ヴァリ主演、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。

貴族出身の監督ならではの華やかな映像には、いつも「凄いな~」とは思うのだが、この監督の作品は『異次元の世界』を描いている気がする。
こういう世界を見ることができるから、映画を観るのだが。。。

伯爵夫人のアリダ・ヴァリが、愛する人を密告して処刑場に送りこんでしまう件も、自分のような凡人には「何故そうするの?」と理解できるものではなかった。
このあたりを、漫画と比較するのもなんだが、自分は「あしたのジョー」のラストで「愛する人(矢吹丈)が死んでしまう危険のあるリング上に送りたくないという白木葉子」の方が、女性の在り方としては自然に思える。
ロングショットの向こう側ではためくカーテンだけでなく、それによって揺れ動く光まで演出する辺り後年の監督に影響与えまくりだと思う(日本なら黒沢清、西谷弘かな?)。
お話も、「影のように着いてきた」男を影のように着いていく女!の終盤は素晴らしい。壁越しのバイオレンスをとことん引いた画で捉えて、個人の顔が見えなくなるのも皮肉。優雅で皮肉。
たむ

たむの感想・評価

4.0
ヴィスコンティ監督最初の大作ということで、その後の傑作の原点といえると思います。
画面の構図から、絢爛豪華な映像は、まさに芸術ですね。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.9
高貴で美しく着飾るアリダ ヴァリが、髪を振り乱して般若のような醜い女となるまでのヴィスコンティが描くメロドラマのような人妻不倫の物語。

イタリア人中年の公爵夫人と若きオーストリア中尉と紡ぐ美しいとは言えないゲス不倫の物語ですが、壮大な音楽を背景に流れるイタリア貴族の絵画のような格式高いシークエンスは、オープニングの長回しで映し出されるオペラ劇の延長のようにも見えて、作品全体に溢れるクラシカルで芸術的な映像は実に重厚感があってワクワクさせられる。
アリダが演じる気高い公爵夫人が、初めての恋を目の当たりにして、十代の少女のように周りが見えないほどに自分を見失い、最終的に消化されない想いに憎しみにまみれていくまでの表情の変化で見せる演技は、今見たらありきたりなこんなストーリーの中であっても色褪せない素晴らしさがある。
そして、美しき中尉を演じたファリー グレンジャーの胡散臭さプンプンのいい意味でわかりやすい演技は、始めから悪い予感しか感じさせず、期待通りほんとうに見事なゲス男ぶりを見せてくれて、美しく着飾った夫人がそのクズ男の罠に落ちてどんどん愚かな女なるという予定調和に、こうはなりたくないと思いつつも楽しん観てしまう自分もいた。

ヴィスコンティの描く悲劇の中でも最ももって救いようのない虚しい人間関係を描いた本作品は、心に打つものは何もないのだけども、こんなしょうもない恋愛模様を壮大に、芸術的なものしてしまう才能にはひたすら感服してしまうし、全くもって共感性もなく、好きな系統のストーリーではないのに、なんとも言えぬ重厚感な雰囲気に気圧されて、結果的には観ることができて良かった思ってしまうヴィスコンティ作品の魔力、恐るべし。
2MO

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3.7
もう明日は来ない今に、過去を甦らせるモノローグ。

カーテンがすれる音や、小さな虫がぶつかる音。
色や、枕の上の柔らかな髪の香や。
思い出の中で感じる些細な。情事の。
時の流れを止める秘かな喜び。

“永遠の喜びに、永遠の哀しみに。我らは抱き合い全てを忘れる”

貴族社会や戦争のモチーフは古典的であれ、半世紀を過ぎても古びれない悲恋のファンタジア。
chie

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-
美しくて壮大で大人っぽい。
雰囲気が好きです。

どうしても夫人がかわいそう…
自業自得だと言われればそれまでだけどさ。
でも…でも……
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.0
2009/5/18鑑賞(鑑賞メーターより転載)
戦時下の普通の恋物語と思っていたが、その実は相手方が典型的な...という過程が徐々に見えてきて後半は見逃せなかった。惚れたものの弱みでどんどん深みにはまる伯爵夫人。自信に満ちた序盤、徐々に恋におぼれて情熱的を通り越し何かにすがるような中盤、そして最後のあの表情、という主演アリダ・ヴァリの視線の演じ分けが非常に素晴らしい。ヴェネツィアの街並みをはじめとして、絵画のような見た事もない色づかいの映像も強烈に目に焼きつく。個人的には大はまりしたわけではなかったが、ヴィスコンティの代表作という評判には納得。
細部まで行き届いた広い空間を役者が動くことで語っていく。被占領市民としての抑圧、夫の抑圧、そして占領軍兵士としての市民と上官による抑圧と、様々に抑圧された人物がそこから逃れようとするテーマは、見た目こそ違えど『若者のすべて』と近く、この頃のヴィスコンティのテーマだと感じた。
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