夏の嵐の作品情報・感想・評価

「夏の嵐」に投稿された感想・評価

notitle

notitleの感想・評価

3.6
ヴェネチアの伯爵夫人と、占領軍の男の破滅的な物語。叙情的で、豪華絢爛に描かれてはいるが、不倫で周り見えず、全てを捨て一心不乱に尽くす女と、金持ちの貴婦人を都合よく利用しサヨナラする男。いつの時代も同じような事が繰り返されてるんだな、と。
Hawkwind

Hawkwindの感想・評価

3.0
19世紀末の戦時中のイタリアを舞台にした大メロドラマ。
話はかなり下衆なものだが、ヴィスコンティ監督による格調高い演出と大袈裟なオーケストラの音楽のため、壮大で美しい恋愛話に感じる。
とはいうものの本質的には金持ちの奥さんが若い男にヨロメイた挙げ句に捨てられ、男に復讐するというベタな不倫ものである。時代を現代に変えたら、ピンク映画のネタにも充分なりそうだ。
自分の事しか考えていない身勝手ヒロイン役は『第三の男』のアリダ・ヴァリ。
ヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』の気弱なテニス選手役だったファーリー・グレンジャーが、正反対の女たらしのクズ男役で好演。
終盤に一場面だけ登場する、19歳で事故死した娼婦役のマルチェッラ・マリアーニが美しい。
peche

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3.5
ルキノヴィスコンティ監督
衣装、調度品がすばらしかった。
20代で鑑賞し、今回で2回目の鑑賞。
愛は盲目なり!
今回伯爵夫人の一途さが理解できた。
映画の中に交響曲、オペラが用いられているがあまりよく知らないため残念。
クララ役の女優は美しく、将来有望視されていたが、事故で19歳という若さで亡くなったらしい。
国領町

国領町の感想・評価

3.0
★★★liked it
『夏の嵐』 ルキノ・ヴィスコンティ監督
Senso

1866年、オーストリア占領下のイタリア
オーストリア軍青年将校フランツに恋したイタリアの伯爵夫人リヴィア

リヴィアはすべてを捨ててフランツに溺れていきます。

ヴィスコンティはリヴィアが捨て去るものを徹底的に、妥協せず描きます。
美しいドレス、豪華で美しい調度品や家具、召使、貴族の華やかな生活
戦争やロベルトを支援することを通じて、彼女を支えていた愛国心、貴族のプライド
そのことで見えてくる本物の”愛”、”欲望”・・・人間の本能、人間そのもの。

ヴィスコンティが観客に見せたものはアリダ・ヴァリが演じたリヴィアではなく
本物の”リヴィアそのもの”のように思えました。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
‪「夏の嵐」‬
‪イタリア独立を巡る統一戦争を背景に軍将校と公爵夫人の悲恋を描いたヴィスコンティのメロドラマ。主演のA.ヴァッリは私の好きな作品に悉く出演して来た大好きな女優の一人で“かくも長き不在”や“暗殺のオペラ”等…本作の美術、衣装、脚本は素晴らしくまた伊的で構造的現実主義が光る名作…‬
iceblue

iceblueの感想・評価

4.0
伯爵夫人と敵国の将校との壮大なメロドラマ。物語は豪華絢爛なオペラ座から始まる。
ヴィスコンティ映画ならではの重厚な映像美は必見。貴族のお屋敷、贅沢な衣装や調度品、格調高いクラシック音楽。画面の隅々まで堪能したい素晴らしさです。
恋してはいけない相手とわかっていながら身を焦がしていくアリダ・ヴァリの輝く瞳、豊かな鳶色の髪、高貴なドレス。その見事な美しさは、次第に相手に翻弄されて苦しみ、自制心を失った哀れな姿に変わっていく。
F・グレンジャーがアメリカ人のせいか、この役にはあまり深みを感じないけれど、そもそも不誠実な女たらしという人物なので合っているのかも。
夫人の候補はバーグマンだったそうなので、それは観てみたかった!
二人が一晩中語りながら歩いたヴェネチアの早朝の風景があまりにも美しくロマンチック。恋に落ちた奥様はなかなか大胆です…
ストーリーより映像のスケールが気に入りました。
otom

otomの感想・評価

4.3
密告を知りつつのめり込み、その果てに密告すると云う。卑劣さの下に願望を成就させる憐れで仕方ない二人。いささかテンポが悪いと思いきや、終わってみれば実に面白かった。そして効果的なブルックナーの7番。良かった。
tthk

tthkの感想・評価

4.5
とてつもなくおもしろく感じてしまったとともに、こんな映画をおもしろいと感じてしまう少し大人になってしまった自分を恥じた映画でした。

メロドラマとしてはものすごくありがちな話で、政治的、社会的立場が恋愛を阻害し、その狭間でもがき苦しむ、というお話です。しかし、そのリディアは表情、目の動かし方といった演技もさることながら、衣装も素晴らしいとしか言いようがありませんでした。

気にかかったことは、ヴィスコンティの考えです。一つはドイツに対するイデオロギー、もう一つは変態さです。
ドイツ人、マーラーに恋をするイタリア人、リディアですが、マーラーは徹底して理知的であるが故にお金の為、自身の身の安全の為にリディアを振り回す、言わば冷たい人間でした。また、マーラーが医師を買収し、脱走兵となったことを知ったドイツ軍の処刑に至るまでの早さというのは、これもまた冷たいと感じました。早さだけでなく、逮捕するまでの敬礼や、執行する時の整列、手早さというのは、やはり冷たいと感じました。そんな冷たさをドイツにヴィスコンティは感じたのではなかったのでしょうか。そして、恋に燃えるイタリア人、リディアを対照的に置くことで、さらにそのドイツ人の冷たさが強調しているのではないかと思いました。
そして、もう一つですが、ヴィスコンティはドのつく変態なのではないかと思いました。贅を尽くした衣装、セットももちろんですが、わざと胸元を見せなかったり、見せたりしているように思いました。また、リディアの部屋で、カーテン越しのマーラー、マーラーが映る鏡、そしてリディアの構図は本当に驚きました。構図だけでなく、リディアの部屋で、リディアがマーラーに「(行ってほしくはないけど)行くのよ、行きなさい」とわざわざ言わせるのが実に変態的だと思いました。

隅々までヴィスコンティの目が行き届いている、おもしろい映画だと思いました。

(追記)
と、思っていたのだけれど、最後の処刑のシーンは後からやむ無しに追加されたものだと知りました。ヴィスコンティいわく、諸々の事情からそうせざるをえなかった。
mami

mamiの感想・評価

5.0
Visconti全作品中、一番好き!
初めてVeneziaに着いた夜、正しく、この映画の世界の街で、最高に感動した。貴族であるViscontiだからこそ描ける世界。Fenice 劇場のオペラの場面の美しさ。
原題は「Senso 」だから、人間の性を冷徹に描きながら、超絶的に美しい。
話は戦争を絡めたメロドラマで古典的なのに、とにかく美しくて、哀しくて、心を奪われる美しい愛憎の美しさ。
女性として、主人公の女の性がよく分かるし、Veneziaが舞台なので、美しさ、愛憎にピッタリの舞台。
彼の元に馬車で向かう彼女の表情が美しくも哀しい。

劇場でもっと上映して欲しい
劇場で観るべき作品

このレビューはネタバレを含みます

重くて、ねっとり、くどいのに苦なく鑑賞。
黒と淡い水色
対照的な色合いが
まるで喪に服す哀れな女とシンデレラのようで残酷ではあるが
酒に溺れ、暴言を吐く男の姿から
母国に対する自責の念に囚われる苦悩が感じられて
夫や友人、愛する人まで裏切り続けた
主人公なんかよりも
男の方がまだ人間味を感じられた。