くろいひと

夏の嵐のくろいひとのレビュー・感想・評価

夏の嵐(1954年製作の映画)
3.4

のちに『ベニスに死す』でも舞台となるヴェネツィアを舞台にした、ヴィスコンティにとっての旧き良き時代をえがく、戦時下の貴族の恋と破滅のものがたり。

貴族の生活や会話を、細部までじつに美しい古典的な「絵」として見せてくれる一方で、戦場の間抜けなまでのハリボテ感。
そしてその世界を彩るのがイタリア音楽ではなくブルックナーの交響曲というところに、独特の美意識がある。
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