秋のコーラ

未来惑星ザルドスの秋のコーラのレビュー・感想・評価

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)
4.5
ずっと観たいと思って10年弱経ち、ようやく観賞出来た。結果、大傑作でした。

「この俳優以上の適役は居ないだろう」という配役や、「この俳優を起用することが、物語設定に説得力を持たせる」ような配役を見ると本能的にビビッと来るけど、本作のショーン・コネリーはまさにその極致でした。
ジェームズ・ボンド役の卒業後、という事実が、主人公ゼッドの溢れる男性性に説得力を持たせ、更に、紳士のJBから一転、野蛮性の象徴でもあるゼッドを演じる(JBにも野蛮性が内包されている)ことの意外性、的な意味でもガッチリハマり過ぎています。

邦題も、『不思議惑星キン・ザ・ザ』『未来世紀ブラジル』と同じ語感でとても好きです。

内容については、かなり哲学的で難解に思えますが、意外にもシンプルで普遍的な着地が素晴らしく、自分の中でストンと落ちるものがありました。是非、全国の学校で道徳の時間に流すべき傑作です!
また、大きなプロットやルックの端々が『2001年宇宙の旅』と共通しているように感じていたら、キューブリックが本作にも携わっていたり、撮影監督が同じだったりと、かなり必然的な模様。と言っても、序盤のシーンは『猿の惑星』の方が似ていたりもするけれど
自分としては、終盤の知識インプットシーンの演出が、007のとある有名演出と共通しており、めちゃくちゃ興奮してしまいました。
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