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或る夜の出来事のmaiのレビュー・感想・評価

或る夜の出来事(1934年製作の映画)
4.8
なんてことない話だけれど、そのなんてことない話が癖になるくらい好きになりました!

結婚を認めてもらえないために家出したエリーが、ニューヨークへの道中で出会った新聞記者のピーターと恋に落ちる話。

もうとにかく2人のキャラクターがコミカルなのに愛しすぎる。
ピーターは口汚いけれど、エリーのことを気にかけずにはいられないくらいに優しい人で…そのギャップにやられました。ジェリコの壁はいつ崩壊されるのかと思っていたけれど、最後の最後まで守られてるあたりもかなり紳士ですよね。笑
そして超箱入り娘のエリーはすっごい面倒だけれど、天真爛漫に近い可愛らしさがあって、やっぱりこっちも素敵なんです。
この2人のやりとりが終始もどかしくって、最高にユーモアに富んでいて好きでした。とにかくセリフはユーモアたっぷりだし、適度なドタバタロードムービーは行き当たりばったりで面白いし。
本当、なんてことない話なのに、釘付けになってしまいます。それもこれも主役2人の演技力のお陰ですね。

最後の結婚破棄にいたるまでのシーンはこっちまでお父さんのようにドキドキしてしまいました…すれ違ってるだけだから!ピーターのところに向かいなよ!と背中を押したくなるくらいもどかしかったです。笑
なんとでもなれのハッピーエンドも悪くないです、良いです。

頭空っぽで観て、楽しめる白黒映画です。
この映画が元祖ラブコメと言われてるのも鑑賞後に知りましたが、元祖だとするなら、この作品のちょうどいい軽さとキャラクターの憎めなさを兼ね備えた元祖超えのラブコメはなかなかないですね。
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