Omizu

サテリコンのOmizuのレビュー・感想・評価

サテリコン(1969年製作の映画)
3.7
【第43回アカデミー賞 監督賞ノミネート】
フェデリコ・フェリーニがペトロニウスの著した紀元1世紀ごろの文学『サテュリコン』を映画化した作品。ヴェネツィア映画祭で最優秀イタリア映画賞を受賞、アカデミー賞では監督賞にノミネートされた。

フェリーニのカラー時代劇。暴君ネロ時代のイタリアを舞台にキッチュな世界観が展開される。フェリーニは今まであまり好きではなかったけど、本作は一番ピンと来た作品かも。フェリーニは現代劇よりこういうのがいいよ。

かなりグロいシーンも含むのでそういうの苦手な人はNGかも。自分は大好きなのでかなり楽しめた。

エログロ、少年愛とかなり詰め込んだ作品になっている。性愛描写も存分に含む。フェリーニの持つ「毒」を煮詰めたような作品だなと感じた。

今までフェリーニの作品には「キレイでよくできた作品だなー」という以上の感想が抱けなかったが、本作に関してはなかなかやり過ぎで楽しい。キレイなだけじゃないフェリーニの毒っ気が全開でよかった。『カサノバ』も良かったから、フェリーニは時代劇の方が親和性高いんじゃないかな。

一応三人の青年が中心にはなっているが、話はかなり飛び飛びで実質オムニバスのような構成になっている。下手な監督では何がやりたいのか意味不明な作品になりそうだが、そこは流石のフェリーニ、一つの芸術作品にまとめている。

エログロ満載で観ていて満足度の高い、イタリアらしい「濃い」作品だった。こういうフェリーニ大好き。
Omizu

Omizu