クリーム

サテリコンのクリームのレビュー・感想・評価

サテリコン(1969年製作の映画)
3.8
詩人であり皇帝ネロの寵臣だったペトロニウスの小説「サテュリコン」をフェリーニ監督が映像化。壮大で豪華絢爛だけど、下品で狂った世界観は、どこをとっても芸術的。内容は、良く理解出来ないけど、映像だけで十分観る価値がある。

紀元前のローマ。エンコルピオは親友のアシルトに恋人であり奴隷のジトーネを奪われ、彼を取り戻そうとします。しかし、すでにアシルトは劇団の役者にジトーネを売り飛ばしていた。助けに行くが、ジトーネはアシルトに付いて行ってしまった。



ネタバレ↓



エンコルピオは、年老いた詩人エウモルポに誘われ大富豪トルマキオの大饗宴に参加します。成金趣味で下品なパーティーで、ジャケ写の様な変なメイク、生ケツフリフリ、着飾ったキモいエロス全開。巨体を揺らす人達、おぞましいご乱交、裸の人達が縦のりで盛り上がる等々酷い。
そして、トルマキオの逆鱗に触れ、殺されそうになったエウモルポを助け、宴会を抜け出しますが、エンコルピオは兵士によってガレー船へ強制連行されます。
船の主人で皇帝に使える将軍リーカに見初められ、エンコルピオは、彼と結婚させられます。しかし、反乱軍によって船は占拠され、将軍リーカは殺害された。
船を降りたエンコルピオは再び自由の身となるが、神の子を盗み出したり、ミノタウロスと戦ったり、さらに性的不能を治す女呪術師に会いに行く等、繋がりのないエピソードが続いてゆく。
ラストシーンは主人公達の姿が壁画となり二千年後の現代に残る形で終わる。

少年狩りに、男同士の結婚、両性具有の神の子、小児性愛、カニバ、酒池肉林、乱交や拷問等、これでもかと古代ローマ乱れた姿を芸術的に映像化。正直、内容は何が言いたいのか解らないけど、手抜きなしの圧倒的な世界観のぶっ飛び映像を浴びる。そんな作品です。嫌いじゃないです。
クリーム

クリーム