こんな激しい映画だったっけ…頭痛がしてくる。お肌つやつやフレッシュな高廣と、義理の弟佐田啓二ふたりからのアプローチに感情を放棄する高峰秀子。メロドラマがいきなり終盤からぐいぐい加速するスリルとサスペンス展開。町の大人同様に世間体を重んじる母のせいで不幸な姉の井川邦子と、高廣が好きでデコちゃんに嫉妬し続ける妹の小林トシ子。土壇場で姉妹たちがぶつかりあって、そこから高廣の金魚の糞でうっとおしかったはずのオボコい妹の中川弘子が手紙持って乗り込む。女たちの沸点越えた熱にやられる。使用人の息子に石浜朗、駅の弁当売りに田浦正巳。このふたり可愛いけどいらなくない?恵介監督趣味出しすぎてまた…と舐めてみていたら2人が終盤でがっちり映画を盛り上げる。メロドラマにおいても恵介監督の反骨マインドがビンビンに投入されている。あんなチャランポランそうな貞二もキメるところはキメる。電話の回線に手紙、滝に橋に墓に汽車にトンネルに。改札で待ったをかけるタイミング逃さない佐田啓二、目の上の可愛いバッテンの絆創膏で高廣に黙礼する最高の締め括りする田浦正巳。この気持ちどーしてくれるの最高。