多タロ

トゥルーマン・ショーの多タロのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.6
生まれたその日から生涯をテレビ局に中継されており、周囲の人間は皆ドキュメンタリー番組(?)の演者で本人だけはそのことなど知る由もないというとんでも設定なジム・キャリー主演のSFコメディ作品。


※以下ネタバレ含
Google先生によると草案はアンドリュー・ニコルなる脚本家が作り上げたそうなのだがまずはそのセンスに脱帽。作中では随所で世界中の人々が彼を面白おかしく監視している様が挟まれるのだが、主演(という言い方もおかしいが)のトゥルーマン自身はヤラセには一切関知していないという意味でこれが蔓延る現代のリアリティーショーなどとは一線を画す恐ろしさを感じる。
悪役にあたる業界人らしい衣装デザインが印象的な番組P・クリストフの存在も印象的で、役者の好演もあり、正直主人公を喰ってしまっている感すらあるほど。蛇足であることは明白だが、一体なぜ彼が主人公・トゥルーマンを撮影対象に選んだのかという前日譚、そして終盤それまでの監視人生を知り、これを受け入れたトゥルーマンのその後を知りたいと思ってしまう。設定はガバガバなのだがセンスでそれをまとめてみせている良作。
欲を言えば監視を抜け出した辺りでもう一展開欲しかったぐらいか。
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