夏

トゥルーマン・ショーの夏のネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

最後のトゥルーマンのセリフ、制作者を責めるでもなく、「会えない時のためにこんにちはこんばんはおやすみなさい」、なのが最高に痺れる。かっこいい。
海の外の、スターじゃない自分を愛してくれる人に出会えたのが幸運。
制作者は、小さい頃からトゥルーマンを見てきたからこそ、親のような愛情(最後の対話)もあれば、やはり見世物道具として見ている面(船を転覆させようとする)もあった。そこが深みを出していると思う。
人生全てを操作するのはどんな罪の名前になるんだろう(養子縁組したからって人権を無視して良いわけない)。それでもこれを観た私が、番組の視聴者たちと同じように、最後の去り際のシーンに痺れてしまうということは、番組としては成功した裏付けにもなり、制作者を肯定しているかのようで複雑な気分でもある。番組を批判したい気持ちもありながら、1視聴者と同様に面白みを感じてしまうところがこの映画の面白い構造だと思った。
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