ぶみ

トゥルーマン・ショーのぶみのネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ピーター・ウィアー監督、アンドリュー・ニコル脚本、ジム・キャリー主演のヒューマンドラマ。
保険会社のセールスマンであるトゥルーマンの生活が、実は隠しカメラにより全世界に生中継されていたという奇想天外な設定の物語。
公開当時、映画館で観た一作。
序盤、TV番組『トゥルーマン・ショー』としてキャリー演じるトゥルーマンの姿が放送されているとは明かされないが、街全体に漂う不思議な雰囲気が伏線となっているのは、脚本や演出の妙。
描かれているのは、メディアにより創り出された世界に住む主人公と、その様を一コンテンツとして消費する人々の姿であり、これは現代にも通ずる、と言うか、寧ろ未来を予言したのではないかと思わせるものであり、今観ても全く色褪せない。
キャリーが主人公であるため、一見するとコメディ映画かのようであり、確かに笑えるシーンも数多くあるが、トゥルーマンの真実を知ると全く笑えないもの。
そのため、一回目はコメディとして、真相を知った上での二回目以降はスリラー要素も入ったヒューマンドラマとして二度楽しめる。
途中、トゥルーマンが自分の置かれている状況に気付き出し謎を解き明かそうとしていくが、その悲哀をキャリーが好演するとともに、首謀者である神的存在の番組プロデューサーをエド・ハリスが怪演。
トゥルーマンが世界の果てに辿り着き、笑顔を見せながら外の世界へ一歩を踏み出して行くラストシーンは胸が熱くなるもの。
平凡な日常を繰り返す中で、人生とは、幸せとは何かを突きつけ、結局コンテンツを消耗品としてしか見ていない私たちの現実を描いている良作。

『会えない時のために、こんにちは、こんばんは、おやすみ』
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