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トゥルーマン・ショーのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.0
ラストは、『閉じ込められた殻を打ち破って未知の大海に漕ぎ出す』ような感動的なまとめ方をして良い。
湿っぽ過ぎないし。

ただ、そこで留まるんじゃなく現代の目から見たらかなり示唆的な作品だと思う。

∞恋愛リアリティショーならぬ人生リアリティショー
∞その舞台を借りたステルスマーケティングをも描いている(現実を先取りしている)
∞中国やロシアなど、旧共産国で行われている監視社会のメタファーとしてみたら中々怖い。
 
∞この物語中のトゥルーマンショーと、リチャードリンクレイターの『6才のボクが大人になるまで』の違いについて、じっくり考えてみたい。
リンクレイター監督は『ビフォア・サンライズ』の中で主人公に本作のようなTV番組作ったら面白い、みたいな事言わせていた。さすが。


トゥルーマンがボートで海に出て自分の管理が及ばなくなった時に番組プロデューサーが大波や突風で殺そうとしているように見えて恐ろしかった。

YouTuberやニコ生の生配信、リアリティショー番組の世界中での流行など、現実がこの映画の世界にどんどん近づいて来てるのではないか。
本作の主人公のように爽やかにエンディングを迎える訳でなく、現代のリアリティショー出演者の中には出演をきっかけに様々な障害やシガラミに囚われる事になっているから恐ろしい。
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