とーるさんし

真夜中までのとーるさんしのレビュー・感想・評価

真夜中まで(1999年製作の映画)
3.8
立体駐車場から隣のライブハウスへと移動する冒頭の長回し(恐らく途中でバレないようにカットを繋げている)を筆頭に篠田昇の色が全編出過ぎている感はあるが、頗る上出来の巻き込まれ型サスペンスコメディ。特にマウスピースの使い方は素晴らしい。

やはり本作でも突出しているのは真田広之で、走行しているオープンカーに飛び乗る動作や物陰で隠れている際にランプを音がしないよう受け止めたりするアクションに身体性が煌めいている。日本映画批評界は真田広之へのインタビュー本、もしくは評伝の執筆をそろそろ真剣に検討すべきと思う。その充実ぶりに反して余りにも顧みられていないフィルモグラフィだ。
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