いな

太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男のいなのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

キャストが人気の俳優、女優やバラエティーでもよく見られるメンバーで固められ感情移入ができない感があるのかなと思った割には実話に基づいているだけあって、リアルな描写で本気の映画だと思えた。数々の日本軍の映画を見たが指揮官が正式にアメリカ軍に対して降伏するという物語は私にとって初めてで新鮮だった。投降した民間人が米軍の投降勧告に協力したりと意外と他の作品では見られないシーンでもある。だから特に大場大尉が部下を引き連れ、歩兵の本領を歌いながら一糸乱れず行軍するシーンは泣けた。また、それを敬意を持って見つめるアメリカ兵を見ると日本人の戦いぶりに誇りを持てたような気がした。この時代は玉砕、自決と右に倣えで安易な決断を下した人が大半の中、民間人と共に暮らしたこともあり、投降という決断を下したことが逆にすごいことだと感銘を受けた。
一方物語としてサイパンでの戦いは序盤に惨敗し、以降は散発的な局地戦と山奥へと逃げ続ける一方なので戦闘シーンとしては物足りなさはある。とはいえ日本人としての誇りが感じされる作品である。
いな

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