しゅう

バンド・ワゴンのしゅうのレビュー・感想・評価

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)
4.5
「雨に唄えば」はハリウッド映画界を描いていたが、コチラはブロードウェイ演劇界を描いており、甲乙つけがたい傑作。

ハリウッド全盛期のミュージカル映画はコメディとして観ても非常に優れたものが多く、今作も最初のオークションの場面から非常に楽しく観られる。
夜の公園の一景ではアステアとジーン・ケリーの違いがハッキリと表れていて、ジーン・ケリーがアクロバット的なスポーツぽい振付なのに対して、アステアはエレガントで動きに流線を活かした上品な振付なのがわかるのも興味深い。
終盤の「ガールハントバレエ」はやはり素晴らしく、今作を一段と傑作たらしめる要素になっている。

アステアはもちろん適役好演かつ振付も素晴らしいが、今まで影の薄かったシド・チャリシーは生涯最高の演技と言ってよく、彼女の背の高さが上手くギャグに生かされてるのも良い。
ジャック・ブキャナンも大いによろしく、彼のおかげで笑える場面も多いし、一部の歌曲ではアステアを凌ぐ程の味の良さを出しているのは収穫だった。
オスカー・レヴァントが影薄かったのは残念。
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