しゅう

旅路の果てのしゅうのレビュー・感想・評価

旅路の果て(1939年製作の映画)
3.4
俳優専門の養老院を舞台にした地味なストーリーではあるが、老いてもなお過去の栄光に縋る虚栄心に満ちた役者たちの姿を見事に描いており退屈しない。
代役専門の大根役者ミシェル・シモンや才能有りながら運に恵まれなかったヴィクトル・フランサン、女癖悪く浪費家のルイ・ジューヴェらの演技合戦が素晴らしい。

自作で自分にラブレターを送っていたジューヴェのプライドを捨てきれない惨めさ、遺言状に自分の事を名優と書きながら弔事では変えられてしまうシモンのエピソードはデュヴィヴィエ監督らしいシニカルさで心に残る。
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