いわさき

僕の村は戦場だったのいわさきのレビュー・感想・評価

僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)
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1962年制作のソ連映画。原題は「イワンの子供時代」でそちらの方がしっくりくるかも。
戦争で家族を失い復讐心だけが残されてしまった少年を描いた話。美しい水と過去の記憶、焼け野原に聳える煙突と白樺の木々が物語を織り上げるように最後まで連なっている。白樺の林を歩いた時の遠目に骨のような見た目と足元の感触が生々しかった。

主人公の身を案じる大人たちの「イワンを幼年学校へ」という願いはエゴにも感じ、文字通り戦争にすり潰されて行く1人の子供をただ見守ることしかできない弱さも読み取れる。

終盤に強烈に映し出されるベルリンの映像やストーリーの中で繰り返し差し込まれる枯れ木は、彼らの未来やこの戦争で本当に得たものを象徴している様に思える。初雪のロシアで寒中水泳は見ているだけで骨に沁みるものがあった。
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