僕の村は戦場だったの作品情報・感想・評価

「僕の村は戦場だった」に投稿された感想・評価

タルコフスキー作品は「惑星ソラリス」位しか見たことはなったが、こういう戦場ものを手掛けていたとは驚きだ。

しかもこの質の高さは驚異的。

12歳の少年イワンを主軸に描く戦場。
両親を殺されたために志願して斥候兵になる。

戦火は拡大していく中で、戦場を離れろと諭されるもイワンは引かない。
戦場下の状況がそうさせることを端的に表している。

前半の砂浜での遊びがそのままラストにつながっていく。
悲劇を悲劇と思わせない映像美が美しい。
adeam

adeamの感想・評価

2.0
ソ連が誇った巨匠タルコフスキーの長編デビュー作。
ドイツとの戦争で家族を失った少年がたどる哀しい運命を描いた戦争ドラマです。
被写体との距離が近めなカメラが慌ただしく動き、いわゆるタルコフスキー的な映像とは異なる印象でしたが、それでも雨のしずくや川の水面や森の木々を美しく映しとるセンスは抜群でした。
子どもの目を通して戦争を見せることでその愚かしさ際立たせる設定は良かったのですが、話の軸をブレさせる三角関係のロマンスは余分に感じてしまいました。
少年が見る夢を悲惨な現実と対比させる演出も効果的ではあるのですが、多用しすぎな印象でした。
戦闘描写なしに短い尺でまとめられた反戦映画としては決して悪くないのですが、タルコフスキーのデビュー作にしてヴェネツィアで最高賞という高いハードルを用意してしまうと物足りなかったです。
静かな作品だがショットがどれも芸術的で見飽きることはない。映画館(フィルム)で観てこそかなあとは思うが。
静かすぎる戦争映画。次に何が起きるのか分からず終始ドキドキする。
イワンの執拗な従軍へのこだわりが対独の憎しみを表しているようで、ソ連側のパルチザンに参加した人々の悲痛さが感じられる様だった。
TagTak

TagTakの感想・評価

3.5
10年以上ぶりの再見。自然と戦争の詩的ですらある対比に改めて息を呑む。カッコウの囀りと銃声、森林と鉄条網。ラストの水辺を駆けるシーンは美しすぎて何度観ても涙腺が緩む。
タルコフスキー

僕の村は戦場だった。

惑星ソラリスの監督である、彼の最初の長編映画。

光と影と水を操り支配しながら描く戦争関連作品となっている。

ナチスに両親と妹を殺されたイワン少年が、復讐心をもってパルチザンに協力し、自ら単独で、ナチスの偵察をしに行く。

普通の戦争映画に比べると大人数で爆撃し合うシーンなどが殆どなく、極めて狭い空間・人数で戦争の悲惨さを表現しており、大掛かりなハリウッド映画とは対象的な物静かな戦争映画だ。

イワンと最前線のソ連軍部隊指揮官ガリツェフ中尉や司令部のホーリン大尉との泥々とした日常が描かれる一方で、時折、イワンの夢や回想シーンが挟まれる。

涼やかな水の音
井戸を覗き込むイワンと母親。
湖の側を走るイワンと妹。
友達達と隠れんぼするイワン。

美しいシーン。

確かに、イワンの夢や心象風景と現実との落差、戦争中の束の間の静寂、戦闘場面以外の戦争風景を映して戦争の悲惨さを描く撮り方が巧みだ。船で河を渡る場面なんかは幻想的なくらい美しいけど、その傍らで味方の遺体が弄ばれて晒されている状況もあって、絶望的な対比も素晴らしい。

戦争はもちろんだか、戦争の起きていない国の中ですら続く、人の尊厳を蹂躙するあらゆる行為がこの世から無くなってほしいな。もしあの世があるとしたら、ラストの心象風景のように、イワンと同じような子たちが無邪気に遊んで、あの優しい大人たちもまた、本来送る筈だった自由な日々を手にしていてほしいと心から願う。

タルコフスキーの長編第一作となる、第一級の芸術的戦争映画。

このころからその映像にたいする美意識が完成されていることに驚く。
陰影のある画面のなかで主人公の少年が発しつづける緊張感に圧倒されっぱなし。
前衛的なカメラワークと音響であぶり出される記憶。
水滴と水面の光という、この監督のモティーフがいたるところにつかわれていて効果的。
y

yの感想・評価

3.5
ものすごい芸術作品だということだけはわかる。しかしながら感想を書けるほどに理解が追いつかない…。それでもこの監督の作品をもっと観てみたいと思わされる…わからないのにずっと観ていたい映像だった…。
心象的な表現が詩みたいな…なにかバラバラしたものを美しく繋ぎ合わせたような…目を瞠る場面がいくつもあり、モノクロの白樺、印象的な水滴の音、ラストシーンのきらきらした水がすっごい綺麗だった。
決して説明的でないが、確かな意図をもって蒔かれている種をどの場面からも感じることができて、その種がどう発芽するかは視聴者それぞれの解釈の仕方に拠るもので正解はなく、けれど相当な読解力がなければ元々の意図に沿う形での理解は本当に難しいことだろうと思った。でも、こういうものを芸術性と呼ぶのだろうし、こんなに緻密に設計された作品にそもそも出逢えることが幸せに違いなく、演出の意図をひとつでも察せられる人間になりたいと思わせられる。
なのでわからなくても出逢えてよかったという気持ちだけはすごくある。他の作品も見てから数年後にもう一度チャレンジしたい。
majizi

majiziの感想・評価

3.9
戦争を子供目線からとらえる作品は数あれど、これはとてもシビアでした。

独ソ戦、母や妹を殺されたイワンはパルチザンの偵察兵として戦争に参加。

子供だからと止める軍人たちの言うことも聞かず、ドイツへの憎しみだけでせっせと活動に勤しむ姿は見ているこちらがとても辛い。

母や妹が生きていた幸せな海での思い出や、いかにも寒そうな戦時下との対比にモノクロームの世界が無情にも美しく映ります。

激しい場面こそあまり無いものの、かすかに漏れ聞こえてくる音の効果が、確かに戦場であることを伝えます。

そしてなんの温情もないあっけない最後に、勝利国としての華々しさなどは何処にもなく、ただ虚しさだけが残るそんな作品でした。
st

stの感想・評価

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イワンを演じるニコライ・ブルリャーエフの演技力に驚いた。彼の演技力で全てが成り立っているんじゃないかと思えるほど。水とか川辺とか雨とか、タルコフスキー好きだなあ。
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