ゴン吉

大怪獣決闘 ガメラ対バルゴンのゴン吉のレビュー・感想・評価

4.0
大映を代表するカメの怪獣特撮映画「ガメラ」シリーズの第二作目。
本郷功次郎が主演、江波杏子がヒロインを演じ、夏木章、藤山浩二らが共演。 

前作の半年後。脱サラをした平田圭介(本郷功次郎)は兄(夏木章)が戦時中にニューギニアの洞窟に隠したというオパールを探すため、仲間とともに3人で、戦友の遺骨収拾を名目に貨物船でとりに行く。
虹の谷の洞窟で目的のものを見つけるが、欲深い仲間の一人(藤山浩二)に持ち逃げされてしまう。
しかしオパールと思っていたのは実は冷凍怪獣バルゴンの卵だった。
貨物船が神戸港に帰港した際に、水虫治療の赤外線を浴びた卵からバルゴンが羽化して急成長し、大阪で大暴れする….  

戦後の傷跡が残る時代に作られた作品だけあり、戦友の遺骨収集という設定が興味深い。
前作の”大怪獣ガメラ”は白黒作品でしたが、本作はカラー作品となり、現地の住民の衣装や盾、怪獣が放つ虹、水虫治療の赤外線など色彩や照明の演出が凝っており、カラーを意識した映像が美しく、今観ても新鮮に感じる。
前作は少年が絡んだストーリーであったのに対して、本作は人間の欲を描いた大人向けの内容となっている。
昭和ガメラシリーズで唯一子供が登場しない作品でもある。
動物は同じ過ちを繰り返さないのに対して、人間は欲のために同じ過ちを繰り返す戒めが描かれている。
「人間 欲の皮はあんまりつっぱるもんじゃない」
ヒューマンドラマに加えて、最期はロマンスで纏めていて楽しめた。 
「一人じゃないわ」   

2023.3 GYAO!で鑑賞
ゴン吉

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