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シリアの花嫁のmhのレビュー・感想・評価

シリアの花嫁(2004年製作の映画)
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無国籍(ドゥルーズ派)の女性がシリアに嫁ぐことを題材にした社会派コメディ。
もともと①シリア領だったゴラン高原を、武力によってイスラエルが占領。一方的に併合を宣言してしまう。
②停戦状態にある二国間の間に、国際連合兵力引き離し監視軍がいるゾーンがある。
③それを横断する事ができるのは特殊な条件下で、両側から同時に行われる必要がある。
という事前情報がある。
ドゥルーズ派と呼ばれるひとたちはシリアへの帰属意識が高いため、「無国籍」という状態に置かれている。
今回の結婚はそんなイスラエル統治下にあるドゥルーズ派のほうからシリアへと嫁ぐため、
・出国手続きを整えるのに六ヶ月かかった。
・無国籍からシリアへと国籍が変わる。
・なので出国手続きでイスラエル側から嫌がらせを受ける理由はある。
そしてなにより、
・もう会えなくなるため、家族にとって結婚が今生の別れとなる。
なので、この日が超大事。
政治的発言で刑務所にいた父親が戻ってきたり、花嫁の兄弟は、ロシアの女性医師と結婚した兄だったり、妹は尻軽な男と結婚して苦労していたり、結婚相手はシリアのコメディアンと、設定もりもり。
それらの諸問題が次第に解決していってるのに、肝心の主題のほうがなかなかうまくいかない。
修正液で消せばいいという結論にずっこけてると、またしてもトラブル。
はたしてふたりは無事に結婚できるのか。
話が面白いというより、社会問題をうまくエンタメにしてくれてて、すごく勉強になるので見ごたえがあるタイプの映画。
面白い。
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