このレビューはネタバレを含みます
同じ時と場を共有しながら、我々の感じることのできない時間の隙間に生きている人々の話だと思った。
星新一のショートショートで、体感できる時間がとんでもなくスローになった男が道路に寝ていたら、知らないうちにロードローラーに轢かれてタイヤが服を巻き込んでいる瞬間に目覚める話や、ディアボロのキングクリムゾン的な時間感覚かと思う。
この物語の思慮深い人々は、我々人間が存在する陸地ではなく、ものすごくミクロな世界で固体と化した海上で生活している。
現実にももしかしたら、観測できない時間の隙間にそう言う人々がいる可能性もある。
ゴンドワナとは、かつて存在した超大陸の名前。循環している地球(プレートテクトニクス)の中で、物質としてどこかにあるけれども、認識できる大陸としてはもう存在しないことを、この時間の隙間に存在する人々と重ねて船の名前として示している?
とにかく、多分、普通に見てたら目に映らないような超超超超高速で生きてる人たちの話だと思うけども。
雰囲気は終始穏やかでいい感じ。