ヨウ

魔術師のヨウのレビュー・感想・評価

魔術師(1958年製作の映画)
3.9
魔術と称した興行。そんなものはまやかしだと一刀両断する者たち。オカルトと科学の対峙。そこにあるのは興味であり嫉妬であり優越感であり畏れであり… 人間臭さが疼いた演劇模様。喜怒哀楽入り混じる顔色が咲き乱れ。離反する者、寄り添う者、其々の味がある。予想外の化学反応を通じて確固とした喜劇へと仕立て上げるベルイマンマジックが天晴れ。人間という掴み所のない生命体の神秘を100分の尺の中で多角的に描いているようで面白かった。後味の悪さを残すことが多いベルイマンにしては珍しくハッピーな結末。これもアリですなぁ。
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