Jeffrey

魔術師のJeffreyのレビュー・感想・評価

魔術師(1958年製作の映画)
3.8
‪ ‪ ‪「魔術師」‬
‪ 既に持ってる北欧映画界の巨匠ベルイマンの1.2BOX収録の作品を全て見返すべく、まだ手にしていなかった「イングマール・ベルイマン 黄金期」の BD BOX Part-3を購入。「叫びとささやき」「仮面/ペルソナ」「魔術師」の3作品が収録してる。彼の作品で観れてないのが鏡の中の如く、沈黙…早くBD化願う。

冒頭、荒涼と風の音。老婆と烏。馬車とハットを被った男、霧、森、池。酒の病に倒れる役者、鐘の音、女の笑い声、媚薬を売る、交霊術、超能力、超自然的要素…本作はI.ベルイマンの58年の傑作で旅回わりする一座と魔術師が科学者と対決する。彼の作品を網羅してはいないが作風の中でも恐怖‬が目立つ一作で、冒頭の原風景と霧に包まれた神秘的で開かれた空間の使い方の美しさから一夜を映す屋敷と言う閉鎖的な空間での宿泊を緊迫感ある作りで描いてる点はなんとも言えないベルイマンの結実さが伺える。終盤の科学主義者の狼狽するシークエンスの恐怖心現る見所の一つは凄く印象的で全体を通し‬て奇妙な雰囲気が漂う謎めいた傑作だ。物語は正直楽しいとは思わないが、演出や構造には一目惚れする。それに黯然と光輝、死と生を映す喜劇に加え、モノクロームの世界観が非常に綺麗でBDで絶対観るべきだ。二転三転と展開し、熟練の俳優らが魅せる超能力対科学の対立が観客をミステリーに誘い込ます。‬
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