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エルビス オン ステージのボロロボのレビュー・感想・評価

エルビス オン ステージ(1970年製作の映画)
4.0
バズ・ラーマン監督作品『エルヴィス』鑑賞後、エルヴィスを知らな過ぎることに気付いた。『ボヘミアン・ラプソディー』と比べるとやっぱりその《原体験の差》は大きくて、『ボヘミアン・ラプソディー』鑑賞後の《振り返り》とは違い、『エルヴィス』鑑賞後はエルヴィスに対する好奇心がそそられることに。特にラスベガスでのライブパフォーマンスを見たくなって探していたら、アマプラにて、スペシャルエディションと通常版がセットになった当作(?)を発見。100円レンタルでもあったので気軽に観られた。

スペシャルエディションでは、インタビューや取材を取り除いてリハーサルやライブシーンを増やしているそうで、さらには画質も音も良くなっている。前半はこのスペシャルエディションとなっていて、がっつりとあの《ラスベガスライブ》を堪能できた。
冒頭に起きた音響トラブルを上手に笑いへ転換するトーク術。
「ラブ・ミー・テンダー」でのファンとの濃厚な交流❗😘😆 何故だかいやらしくないんだよなあ。お客さんたちも《熱狂のあまり殺到する》というわけではなくて、自然と「キスして」とエルヴィスへ近付いていく様子なのでとても不思議。会場はラスベガスのホテルなので、一定のハードルになっている、ということなのかなあ。エルヴィスは客席にまで下りていくというサービスっぷり。
ラストの「サスピシャス・マインド」から「好きにならずにいられない」への流れは最高‼️ 特に「サスピシャス・マインド」の緩急。ボルテージMAX時のドラムとベースの疾走感ったらありゃしない。あと、このラスト2曲からライブ終了までの流れを観ると、映画『エルヴィス』の再現度の高さもよく分かる。
なお、個人的には「ポーク・サラダ・アニー」も大好き。

表現者エルヴィスは、本当に見事だ。
彼のボーカルはもちろん素晴らしいのだが、彼のパフォーマンス(左足でリズムをとる、腕を振る、空手みたいなムーブ等々)は音楽と一体化していて、歌わずに曲に合わせて動くだけでお客は盛り上がっちゃうんだよなあ。冷めた目で見てしまうと大げさでお笑いに転じてしまうような動きでもあるのだけど、不思議とカッコよくて様になっている。音楽と一体化するエルヴィスのパフォーマンスは、ゴスペルの影響なのかなあと思ったり。あと、ブルース・ブラザーズのジョン・ベルーシ(a.k.a. ジェイク)が、エルヴィスのムーブをどれだけ取り込んでいたのかもよく分かる。
そして、バックバンドの演奏に合わせて歌うのではなく、エルヴィスがまるで指揮者のようにバンドを操っているのにも気付く。スタジオリハでもステージリハでも、主導権を握っているのはエルヴィスであり、パフォーマンス中でもバンドへサインを送っている。

さてさて後半は通常版。インタビューや取材のシーンが盛り込まれた「いかにも」なファンサービス作品。流れで先にスペシャルエディションを観ているので、通常版に対しては、合間に挿入されるインタビューや取材のシーンによってテンポが悪くなってるように思えた。映像も音も残念ながら《当時のクオリティ》なので、個人的にはスペシャルエディションの方が良いかなあ。一方で、スペシャルエディションではカットされたライブ映像が通常版には残っていたりするので、それはそれで貴重かも。

スーパースターEPをがっつり堪能させていただいた。映画『エルヴィス』も良かったけど、エルヴィスのパフォーマンスも素晴らしいネ‼️👍
ごちそうさま。🙏
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