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オテサーネク 妄想の子供のアミノSAN値のレビュー・感想・評価

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)
3.5
実際にある異国の寓話をモチーフにしたようなホラー&コメディ(?)映画。

不妊に悩む夫婦。夫が、気晴らしにと「人間みたいだと言われてもそれほど人間のようには見えない」切り株を見つけ、妻に見せると「おくるみを持ってきて!」と妻が豹変し…。

Amazonプライムのジャンルでは「ホラー・コメディ・ファンタジー」となっているが、別に笑えるような内容ではないのでコメディだと言われると、うーん?

どことなく不気味な切り株人形のオチーク。彼(男児)は古い映画特有のコマ撮りで動く。
真面目に見るほどでもない映画なので、この「紙芝居」っぽさが良い演出をしていると思う。

字幕版しかなく、どうやら英語でもないのでなんだかんだしっかり画面を見続けて鑑賞した。
内容なんてないようなものだが、何故か面白い。

基本的に寓話の内容に忠実なストーリー展開なので、驚かされることはない。
だが、切り株人形の不気味さ、近所の傍迷惑な小娘、全く自制できてない小児性愛者のおじさん、気の狂った母親など、一つ一つの要素に興味をそそられた。

オチークの赤子のような泣き声には、観ているこちらまでほんの少し不安にさせられた。母性というものだろうか。
可哀想、早く泣き止ませてあげたい…というふうに、本能に訴えかけるものがあった。こんな到底人間とは思えないような見掛けをしているのに、泣き声だけでそう思わせる。我々人間は赤ん坊の泣き声(アラート)に対処するよう、DNAに刻み込まれてるんだろうな。

他の誰かがレビューに書いていたように、これは映画というよりもアートだと思った。
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