heb

ラブリーボーンのhebのネタバレレビュー・内容・結末

ラブリーボーン(2009年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

若く純粋なまま殺されてしまった主人公が”境界”とでも呼ぶべき世界に留まり続けるものの、現世に対してほぼ影響力は無く残された家族や自分を殺めた犯人をただ見守り続けるしかないという歯痒い状態。
現世の時間が進んでいく中で徐々に自分との差が生まれていく家族に対する想い、犯人に対する憎悪も当然募っていくのですがしかし主人公が最後にとった行動は・・・。
「あなたにもいつか分かる。人はいずれ必ず死ぬ。」
自分だったらと思うと全く到達できる気がしない悟りの境地の様な選択。ホリーが語ったこの言葉の意味を、彼女もまた真に理解したのかもしれません。

スリラー・ファンタジー・恋愛と多くのジャンルを横断しつつ、シビアな現実も描くことで受け入れ難い悲しみや怒りを前にした時どうすれば次の一歩を踏み出せるのか、何かきっかけを与えてくれるような話の様にも思えます。
何はともあれ、若きシアーシャ・ローナンの溌剌とした演技が炸裂している一作です。
今とはまた違った彼女の魅力が作品全体の印象を大きく支配していると思います。
heb

heb