《“とある”芸能事務所に思いを寄せて》Vol.31
ツヨポン、別格説。
『黄泉がえり』。
「ブス。」
「バカ。」
阿蘇山の麓で、死んだ人が生き返るという未曾有の謎の現象。
その“黄泉がえり”の調査にやってきたツヨポン。
その蘇りには、人知を超えた原因があった。
そして、亡くなったと思って生きてきた残された人の元に戻ることで、色んな摩擦が起きる。
息子が戻った、妻が戻った、兄が戻ったと喜ぶ人。
亡くなった人が戻ったことで、それを埋めていたはずが居場所がなくなった人。
果たして、この蘇りはなぜ起きるのか。
そして、この蘇りがもたらす意味は。
そして、戻ってきた人、残されていた人、どちらにもこの蘇りは何を起こすのか、、、。
胸キュン要素が多分にある。
竹内結子の最後の草っ原のとことか、長澤まさみの学校の校庭とか。
死んだ人が生き返る、という、オカルト要素から温かみのある人の生を描く。
無茶苦茶な話だけど、人の願いというか、思いというか。
あえてオカルト要素や事件的空気や、混乱を描くのではなく、自然に、穏やかに、暖かく描いている。
SFだけども、日本っぽい人と人の繋がりと、雄大な風景と、時の流れと、切なさと暖かさが滲み出ている作品。
ツヨポン、竹内結子、寺門ジモン、極楽とんぼ山本、哀川翔、石田ゆり子、柴咲コウ、長澤まさみ、市原隼人、田辺誠一、伊東美咲、伊勢谷友介、田中邦衛。
優しさの中に、強さというか、この突拍子もない話を紡ぐキャストのスゴさ。
驚きながらも受け入れ、蘇った方も、待ってた方も、何かを感じながら、このなぜかもたらされた奇跡のひと時を過ごす。
2002年の映画。
18年も経てば、色々あった。キャストにも色々あった。
今振り返ればスゴい作品。
でも、その中でも、ツヨポンと竹内結子の存在感、良い。
なんて言うか、優しい気持ちなれたと言うのか、人との繋がりや生き方に悔いがないようにしたいと思えた。