バナバナ

ハート・ロッカーのバナバナのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
3.8
ジェームズ曹長は童顔だ。見た目は歴戦の勇者にも見えず、大統領のSPの様に屈強そうでもない。
ジェームズ役のジェレミー・レナーはこれでも39歳だそうだが、街ですれ違ったとしても、普通の兄ちゃんにしか絶対に見えない。

しかし、彼は無茶をする。ロボットなし、防御服なしで信管を取り出してしまう。
小隊の仲間が心配し過ぎて、怒りを感じるほどに。
だが、彼といると危険な反面、心強い。
どんな窮地にも冷静沈着に対処し、頼れる奴である。

では、彼は強い人間なのだろうか?
否。彼も小隊の一番若い兵士の様に、悲惨な現場を見て、何度も傷ついてきた筈だ。
これ以上自分の心が傷つかないように、家族を捨て、大事な物を捨ててきた様に見える。

彼の心は空っぽなのだろうか?
否。それが証拠に、少年の姿が見えなくなったら彼は必至で探していた。
何か自分の中で、守りたいものがある様である。
『ブラックホーク・ダウン』の原作を読んでも、デルタ中隊に入る隊員は、わざわざ厳しい試験を受けて、前線を転戦する部隊に志願していたが、この人にも同じものを感じた。
“アメリカが正義”という神話はもう崩れてしまったけど、少なくとも一人一人は目の前の正義を信じているのかもしれない。

ここからは、全くこの映画と関係ない話ですが…。
主役のジェレミー・レナー、どこかで見た顔だと思ったら、『スタンドアップ』でシャーリーズ・セロンを虐めてたやつじゃないですか!!!
しかも、シャーリーズと交際中???
まあ、シャーリーズが認めたんなら、性格のいい人なんでしょうね(汗)。
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