ハート・ロッカーの作品情報・感想・評価

「ハート・ロッカー」に投稿された感想・評価

マーチ

マーチの感想・評価

3.5
[『デトロイト』公開記念
映画監督 キャスリン・ビグロー特集 ]
《第1弾》:『ハート・ロッカー』

『デトロイト』公開に備え、キャスリン・ビグロー監督の過去作を公開前に3作観ておきたいと思います。そういった特集です😌


【レビュー】

《戦争は麻薬💣》

今作はドキュメンタリーかと錯覚するほど至極淡々と(アメリカ軍)爆発物処理班の日々の任務を映し出しており、そういう特殊な描き方だからこそ様々な事実が浮かび上がってくる。

戦争映画はストーリーを下敷きに展開するのが基調とされている節があるけれど、実際そんなことしなくても緊張感や反戦の意は伝わるし、恐ろしさも感じられるということをこの作品は証明した。この作品が先駆ではないのかもしれないけど、自分が観てきた映画の中では今作が先陣を切っているように思われる。

現実はストーリー仕立てで語れるほど整理されてはいないし、今作にストーリーが全く無いという訳ではないけれど、“リアルはそんなに甘くない”ということをこの作品は教えてくれた。そしてそれがまたフィクションであることが逆説的で面白い。

日々の戦々恐々とした任務こそが日常だと普通の人々の生活が非日常となり、その危険な日常が普通の人々からすれば恐怖に感じられ、そんな場所に態々戻ろうとする姿は戦争中毒だと思われるだろう。だが、戦地に生きる彼等の中には非日常に身を染めることの方が恐怖だと感じ始める者もいるのだ。そういう戦争の暗部、謂わば“闇”を鬼気迫る描写の連続で、この作品は映し出している。

そして兵士はまた、戦地へ赴くのだ。


【p.s.】
タイトルはアメリカ軍のスラングで「苦痛の極限地帯」や「棺桶」を意味する。

ジェレミー・レナーは今作における劇薬。映画的には緊迫感や緊張感を煽る役割であり、その危なっかしさの裏にある真実が現実世界の闇を抉っている。

*ストーリーのある戦争映画も勿論自分は好きなので、このレビューはそういったタイプの作品を否定する意図がある訳ではなく、今作はそれらとは違った新しい側面を持っている映画なのだということを言いたいだけなのです。描き方として新鮮で繊細であることが、とにかく素晴らしいと。


【映画情報】
上映時間:131分 (Netflixは125分版)
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
編集:ボブ・ムラウスキー
クリス・イニス
出演:ジェレミー・レナー
アンソニー・マッキー
ブライアン・ジェラティ
ガイ・ピアース
レイフ・ファインズ
エヴァンジェリン・リリー 他
概要:イラクに駐留するアメリカ軍の中で
も最大の危険を伴う爆発物処理班の
兵士を描き、2009年の賞レースを席
巻した戦争映画。命知らずの兵士と
仲間との確執と友情を軸に、緊張感
溢れる爆発物処理の現場をリアルに
映し出す。
 キャスリン・ビグロー最新作『デトロイト』に向けて

 すっかり社会派映画監督としての地位を確立した感のあるキャスリン・ビグローだけれど、実はSFやホラーなんかも範疇の幅の広い作家だったりする。作品が社会性を帯びてきたのは『K-19』ぐらいからだろう(大赤字だったが)。

 それを決定的にしたのがやはり『ハート・ロッカー』である。と言っても、本作はエンターテイメント性も多く含んでおり、映画の冒頭に提示される「戦争は麻薬である」という言葉通り、中毒性の高いサスペンスが展開される。本作に対して「エンターテイメント」なんて書くとサイコパスなのではと疑われそうだが、この映画はまさにそこを突いているのだ。

 ヒッチコックが自身のサスペンス論を展開するとき、度々「テーブルの下の爆弾」という比喩表現を使っていた。曰く、「テーブルの下に隠された爆弾が突然爆発すれば、それは一瞬のサプライズにはなる。しかしその爆弾の存在をあらかじめ観客に知らせておけば、そのシーケンスの間中はサスペンスが成立する」。この方法論が本作『ハート・ロッカー』にも巧みに使われていた。

 「戦争は麻薬である」というフレーズは、ニューヨークタイムズの戦争特派員のクリス・ヘッジスによるものだ。無謀な主人公のキャラクターも含め、戦争に理解がないとここまでは描けないだろう。その意味で本作は、大胆にして知的な映画だと思う。
デトロイトのキャスリン・ビグロー監督、脚本のマーク・ボールの予習で

イラクを舞台にした戦争映画
現地の人とアメリカ兵との微妙な関係性を初めて知った

戦場のリアル感、暗闇を走っているところの息遣い、カメラワークで観ててずっとドキドキしていた

戦争について考えさせられる映画
後からじわじわくる漢方薬のような戦争映画。リアルな戦場に違和感が残る演出、メリハリが効いています。
戻ってきた日常生活、スーパーのシリアル棚が揺れる映像表現、凄い。
10本目

キャスリン・ビグロー作品復習。

どう評価すればいいのか難しい映画でした…

見せ場のみを繋いだような構成なので戦争映画として物凄く面白いし、肝心の爆弾処理描写や中盤のスナイパー戦と銃撃戦の緊張感も半端ない。また別の戦場へ移るにつれて、本作の真の主役であるジェレミー・レナー演じるジェームズの秘密が徐々に明らかになっていくという構成にもなっているのでキャラクター描写でも楽しめた。

でも単純に戦争映画として楽しんではいけないのではと思うような後味の終わり方だった。最初に引用される「戦争はドラックだ」という言葉の通り、戦争のみでしか生を実感する事が出来なくなってしまったジェームズを、ヒーロー映画のような音楽をかけて、まるで英雄のように描写するラストには戦争、そして観客に対する強い皮肉が込めらめているようにも感じられた。戦争はゲームや映画などにおいてもはや娯楽のコンテンツの一つになっているし、正直に言って自分自身もオールタイムベストに「プライベート・ライアン」を挙げるくらいエンターテイメントとしての戦争は大好物。でもそれはジェームズや戦争同様に狂った事なのかもしれない、という事を考えさせられた。

ジェームズの人生は続いていくけどいつかトンプソンのようになってしまうんじゃないかと思うと心配。

それにしても女性監督なのにどうしてこんな暑苦しい男の世界を描けるのだろう…

あとジェレミー・レナーはやっぱり軍服が似合う!
kazu

kazuの感想・評価

3.8

キャスリンピグロー監督

子供爆弾‥

人間爆弾‥

鬼畜‥。゚(゚´ω`゚)゚。

戦争のヒーローはいません。
スカーーッとはしません。
見続けたのはただただどうしようもない現実‥。

爆発物専門組織(EOD)のバグダッドでの日々を淡々と描いた話です。

「ハート・ロッカー」とはどんな意味なんだろうと調べてみたら、
アメリカ軍のスラングで「苦痛の極限地帯」「棺桶」を意味するそう。

楽しめる映画ではなかった。

なのに、ハマった。

この映画で私はすっかりキャスリンピグロー監督のファンになってしまったのでした。
ILLminoru

ILLminoruの感想・評価

3.8
『ゼロ・ダーク・サーティー』のキャサリン・ビグロー監督の”戦争"映画。

イラク戦争を舞台にドキュメンタリックな撮影で社会派映画の側面もあると思いますが、それはそっと置いて於いて、”緊張感がハンパない”エンターテイメント映画として、かなり楽しめました。
Tom

Tomの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

バグダッドで活動する米軍爆弾処理班の物語。
冒頭の爆破シーンはスリリングだったが、その後は今ひとつ。
自分最強!他の奴らの指示は受けない! なわがまま主人公が好き勝手やってる印象が強い。
爆弾処理にしか生き甲斐を感じられない病んだ人なんでしょうけど、勘違いから復讐の虜になって仲間を死の危険に晒すとか到底容認できないでしょ。
映像の撮り方も、爆発スローモーションは1回でよかった気がするし、あちこちショットを切り替えてドキュメンタリー風に戦場の混乱を表しているのかもしれないが、もう少しセリフを入れて分かりやすくor見栄えよく工夫できたのでは?
正直、期待していたほど面白くはなかった。
Yamato

Yamatoの感想・評価

3.9
平和な日本では中々わからないかもしれないけど、それでもワクワクする面白ろさ。
いやー恐ろしい。爆弾が見つかるたびにヒヤヒヤするし、いつ爆発するか分からない緊張感とそれに立ち向かうブラボー隊の勇気が素晴らしい映画。砂漠での狙撃戦は観てるこっちも緊張したし、命がけすぎて怖かった。子供への愛もあるいい映画だった。
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