tak

熱砂に抱かれてのtakのレビュー・感想・評価

熱砂に抱かれて(1991年製作の映画)
3.0
フランスからイスラエルに移住した元教師のサーシャと恋人で教え子だったローラ。綿花を栽培する畑で働く日々を過ごしていたが、次第に戦争が激しくなってくる。そんな折にパリ時代の同級生だった3人の男性が二人に会いにやってきた。懐かしい話に興じていたある日、農園が攻撃を受けた時に、ローラはサーシャが他の女性と綿花を積んだ荷台にいるところを見てしまう。やがて戦火は激しくなり、彼らも巻き込まれていくことに。

ソフィー・マルソーのフィルモグラフィーは、「ブレイブハート」以降の一般受けする映画までは、元夫アンジェイ・ズラウスキー監督の一連の難解で陰気な映画がどうしても目立って、等身大の役柄は少なめ。「ラ・ブーム」からのファンにとっては、あのアイドルが成長したような役柄でロマコメやってくれるのを期待したものだけど、「恋人たちのアパルトマン」くらい。急に大人びた役柄が多くなったせいで、どんどん遠い存在になっていく気がしていた。それでも、スクリーンの中にいるだけで、ファンは嬉しいんだけどね。

「熱砂に抱かれて」でソフィーが演じたローラは、少し前の学生時代から、大人として現実に向き合うことの狭間にいる年頃。同級生男子たちとはしゃぐ姿はとてもまぶしくて。一方で、中東戦争という重い現実と、パートナーであるサーシャが本当に大事に思っていたのは誰だったのが、という不安に向き合わねばならない。この映画が日本で公開された頃は、「ラ・ブーム」でファンになった世代も社会人になって数年経つ頃。地味な映画ではあるし、一般受けもしないだろう。ソフィーも同年代の僕らと同じように、いろんな意味で過渡期なんだろなあ、と勝手に考えてたんだよな。
tak

tak