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デュエットのtakのレビュー・感想・評価

デュエット(2000年製作の映画)
3.5
「デュエット」は、カラオケ大会に集まる6人の男女を追った群像劇。賞金目当てのカラオケハスラーであるリッキーに元妻が亡くなったと電話が入る。葬儀場で初対面した実の娘リブを遠ざけるリッキーだが、2人は行動を共にするようになる。セールスで出張続きのトッドは、家庭に嫌気がさして旅に出る。その道中で知り合った黒人レジー。彼は脱獄囚で追われていた。そして恋人を寝取られて自暴自棄のビリーは、酒場で知り合ったカラオケハスラー、スージーと成り行きで行動を共にすることになる。6人は高額賞金がかかったカラオケ大会に向かう。

音楽で結ばれる絆は深い。人をつなぐもう一つの言語とまで言うとオーバーかもしれないけれど、大なり小なり音楽を通じて関わった人々は、長い付き合いだったり、強い印象を受けていることが多い。僕もそう感じている。この映画の中でも、ギクシャクしていた関係が歌を挟んで変わっていく。

リッキーは「娘を紹介させてくれ」とリブをステージに上げ、スモーキー・ロビンソンのCrusin'を一緒に歌う。リブにとっては亡くなった母がよく歌っていた思い出の曲。トッドとレジーは、オーティス・レディングのTry A Little Tenderness。警察の目を逃れようとするハラハラと音楽の快感が同居する名場面。この2曲の見事なハーモニーは映画の中でも注目すべき圧巻のステージ。音楽好きなら、これを目的に観ても損はない。

自暴自棄になって、騒ぎを起こすトッドが痛々しい。貯まったマイレージでホテルに泊まりたいという願いが叶えられないことがきっかけで、トッドはレジーの銃で大暴れ。その彼をレジーが叱る場面がいい。
「中流家庭なんて牢獄だ」
「ほんとの牢獄を知りもしないくせに」
それでもレジーが最後までトッドを見捨てない姿はこの映画の感動ポイントだ。

実は映画に先行してサントラ盤を購入して聴いていた。グウィネス・パルトロウが歌うキム・カーンズのBette Davis Eyes、映画冒頭でヒューイ・ルイスが歌うジョー・コッカーのFeelin' Alrlghtが好き。ポール・ジアマッティはトッド・ラングレンのHello It's Meを歌って激しく踊る。切なさが好きな曲だけに笑いのネタにされる場面なのはちと残念かなー。マリア・ベロが歌うボニー・レイットのI Can't Make You Love Meもなかなか。

洋楽カラオケ楽しいよね。Whole New Worldのピーボ・ブライスンのパートはけっこう自信ありますっ♪🎤
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