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パリで一緒にのtakのレビュー・感想・評価

パリで一緒に(1963年製作の映画)
3.3
「ローマの休日」以降のオードリー主演作で観たことがないのはあと数本。そのうちの一つが本作「パリで一緒に」だった。観るチャンスはなくもなかったけど、敬遠してたんだろうな。だって、ウィリアム・ホールデンが何故か苦手なんだもの。

いろんな名作にあれこれ出演してるし、カッコいい西部劇もあるし、名優だとは認めてるんだけど、昔から印象に残っている主演作は、とにかく体たらくか女たらし。コテコテのメロドラマのイメージ。僕がクラシックかぶれの若造だった頃から、その印象は変わらない。僕のホールデンのイメージは「戦場にかける橋」よりも「慕情」、「ワイルドバンチ」よりも「サンセット大通り」、「第十七捕虜収容所」よりも「ピクニック」。印象が悪い最大の原因は、「タワーリング・インフェルノ」の憎まれ役よりも「麗しのサブリナ」のプレイボーイの次男役。結構観てるなww

さて、本作「パリで一緒に」はどうかと言うと、僕が期待する(?)嫌いなウィリアム・ホールデンが堪能できる映画だった😩。新作映画のシナリオがいっこうに進まない脚本家。悩んでる訳ではなく、単に仕事そっちのけで遊んでいるだけ。タイピストを雇ってプロデューサーとのアポイントまでに書き上げようとする顛末を描いた作品だ。雇われたタイピストがオードリー・ヘプバーン。こちらは誰もが期待する笑顔もファッションも素敵な役柄で、ズケズケとものを言い、脚本にケチをつける。しかし彼女から聞いた話や、彼女自身のイメージから、発想は膨らんでいき、脚本は進み始める。その間にも脚本家氏はタイピストに不意打ちのキス、話のノリで抱きしめる。あー、やっぱり嫌いなホールデンだよ😠

二人が編み出したストーリーは、劇中劇として二人が演ずるロマンティックコメディとして進行する。せっかくパリが舞台なのに、いかにもセットに見える作り物感漂うカフェテリアの舞台が用意される。それは二人の空想。しかし、話が進んでいくに従って、その舞台はだんだん見応えのある風景に変わっていく。ほほー、ホテルの一室からカメラが出ないと思ってたら、なかなかゴージャスな映像になっていく。結末はまぁお約束のラブ展開なのだが、どうも納得いかず。オードリーは期待通りに素敵なんだけど、最後まで嫌いなホールデンだった。

原語をきちんと聴きながら丁寧に鑑賞したら言葉選びがきっと面白いんだろうと思った。英語がもっと得意だったらなぁー😣。音楽も衣装もゴージャスな映画なのに、今ひとつ気持ちがあがらない作品でした。

 ◇

あれ?こんな二人が出てくる映画、他にあったよな。何だっけ…と考えて思い出した。

借金に追われる小説家が、期限までに新作を仕上げるために速記者を雇うラブコメ。ロブ・ライナー監督の「あなたにも書ける恋愛小説」だ!。あれも二人が書く小説の内容を二人が演じる劇中劇が登場する。そっかー、あれは「パリで一緒に」へのオマージュだったのかもな。そう思ったら、「パリで一緒に」がちょっとだけ素敵な映画に見えてきたw

NHK BSの録画で鑑賞。
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